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1冊の本は3人の師を持つに等しい


社会人になってから本を読む時間がなくなった、という人は多いはず。しかし、仕事で成果を上げるには読書が不可欠です。時間がない中でも、本に目を通す習慣をつけることが大切です。読書をする上で大切なこと、仕事に役立たせるためにはどんな本を読むべきかについて考えます。【週刊SUZUKI #53】

社会人になってから何冊の本を読みましたか。毎月何冊の本を読んでいますか。さまざまなジャンルの本を読んでいますか…。

今、若者を中心に本を読む習慣が失われつつあります。文字を読むのはスマートフォンでネットニュースとSNSだけ。この程度しか文字と触れ合わない人も増えています。本と接する機会がまったくない若手社員がいてもおかしくない、そんな状況にさえ陥りつつあるのです。

しかし、いつどんなときも本を読む習慣を身に付けるべきです。本からは多くを学べます。多くの知見を養えます。仕事の課題を解決するきっかけを得られるし、自分を一回りも二回りも成長させてくれます。私も読書を通じ、多くのことを学びました。仕事に向き合う心構えや姿勢も学びました。今も仕事の壁を乗り越える手段として、本が大いに役立っています。どんなに忙しくても本を読み続けるからこそ、現在の自分があると実感しています。

読書は、一冊読むだけで3人の師を持つのに等しいと言われます。10冊読めば30人の師から教わっているのと同じです。それだけ読書は、日常では得られない多くの気づきと学びを与えてくれるのです。

わずかな時間で構いません。興味のあるジャンルの本で構いません。重要そうな箇所を読むだけでも構いません。まずは本を読む習慣を身に付けることから始めましょう。いろいろな興味を持ち、視野を広げることが大切です。読書後に内容を振り返ったり、同僚と本について意見交換したりする機会を設けるのも習慣化には有効でしょう。

読書で大切なのは、読んだ時間ではありません。糧を得られる良書を読むことです。テクニックを習得できる本より、人としての生き方や人のあり方を学べる本を読むべきです。偉大な経営者はどんな生き方にこだわったのか、仕事をする上で人はどうあるべきか。こんな問いと向き合える良書を探し、先人の声に耳を傾けることが必要です。

本を読み終えたときに感じたことが、あなたの血肉となります。自らの価値観を磨き、明日の仕事に役立つ糧となります。ネットニュースでは得られない学びを深める手段として、本を徹底活用すべきです。

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。 デジタルシフトを目指す企業の支援を実施している。SBIホールディングス社外役員、日本オムニチャネル協会 会長、学校法人電子学園 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授を兼任

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