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愛するお店を応援したい! 広島在住の漫画家がお好み焼き店のために看板イラストを制作→子供の来客が増加する


愛するお店を応援したい!広島在住の漫画家が看板イラストを制作→子供の来客が増加する

 外食をするとき、看板やフードサンプルといった「目」に映る情報で、来店意欲が大きく変わってくるのは往々にして良くある話です。

 広島県にあるお好み焼き店「まめ」は、今年(2022年)から新たに店の前に設置したイラスト看板で、来客層に大きな「変化」があったそうです。その変化を、イラストの作者・満月亭さかなさん(以下、さかなさん)が自身のTwitterで紹介し、注目を集めています。

 「この看板にしてから、子供のお客さんが増えたとのこと。学校帰りにトイレを貸した女の子が母親連れてお好み焼き買いにきたとか。入りやすくなったようだ」

 つぶやきとともに、1枚の写真をTwitterに投稿したさかなさん。広島県在住で、1999年から創作活動を続ける漫画家・イラストレーターです。

 「今風の絵柄ではなく、『昭和』『古め』と言われますが、刺さる人にはよく刺さります。創作の他に、人様に頼まれるまま、『夏』『子供』『妖怪神様』の漫画やイラストを描いております」

1999年より、これまで20年以上にわたり漫画イラストの創作活動を続ける投稿者。

 今回さかなさんが「まめ」に提供したのは、男の子と女の子がお好み焼きを楽しそうに作っているイラスト。男の子が器用に小手を使っているのを、女の子がまじまじとのぞき込む姿が描かれています。

 お好み焼きと言えば、広島県を代表するソウルフードのひとつ。筆者も以前、広島に在住した時期がありますが、市内には至るところにお好み焼き店が存在します。私は出身が関西のため、“コナモン”には相応の思い入れを有していますが、それは広島にとっても同様です。

「お好み焼き」は広島県民にとってソウルフードのひとつ。

 「広島人にとっては、それぞれに大事にしている店や、お好み焼きにまつわる思い出があります。私にとってのそれが『まめ』ですね。職場の近くにあることもあり、ここ7年ほどは週1で通い詰めています」

 敬愛する店に対し、さかなさんは、2021年5月にファンアートとしてイラストを贈呈。実はそれこそが、今回の看板設置のきっかけなのですが、当時のさかなさんはそのつもりは毛頭ありませんでした。

元々はコロナ禍に苦しむお店を応援するためのファンアート。

 「コロナのおかげで色々大変でしたので、とにかく応援したい一心でした。お店側も大変気に入ってもらったのですが、その時は『看板になったらいいねえ』程度でしたね」

 ところがその後、大きな転機がおとずれます。同年11月、まめの店主が自転車事故で骨折。2か月ほど休業を余儀なくされてしまったのです。幸い予後は良好で、2022年明けから営業再開したのですが、景気づけにと話に上がったのが、先のファンアートの看板化。

骨折から復帰から店主と店の景気づけのために看板化。

 今回の投稿は、設置後の経過報告も兼ねてのものですが、大きな変化になったのが、つぶやきにある「子供の来店客増」。代表的なエピソードが「トイレの貸し借り」ですが、さらに他にも印象的な出来事があったそうです。

 「『まめ』では、子供の来店客に対しては、いつもおまけでキャラ消しゴムをあげているのですが、この半年間渡すペースが明らかに早くなっているんです。自画自賛で恐縮ですが、あの看板が、お店の元々あった雰囲気とマッチした結果かもしれませんね」

 さかなさんによると、当該看板は近隣客からの評判も上々だそう。そして今回の投稿でも、「行ってみたい」という声が寄せられています。

 「看板○○」と形容されるほど、お店を引き寄せる広告塔を用いることは、古くから一般的な手法です。しかし、時には「話題性」ばかりを意識した“的外れ”なものも存在します。

 今回の「まめ」のケースは、特段何かを分析して作り上げたわけではありません。ただお店を愛する1人の漫画家が、応援したい気持ちから生み出されたものです。シンプルな内容ですが、しかしそこに「良い広告」のヒントが凝縮されているのかもしれません。

<記事化協力>
満月亭さかなさん(@toto_sakana)

お好み焼き店まめ
広島県広島市西区東観音町19-13

(向山純平)

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