ほとんどの猫は綺麗好き。丹念に丹念に自分の体を舐めてグルーミングしますよね。
しかしふと気がつくと、猫はグルーミングで飲み込んだ毛はよく「吐き出す」そうですが、我が家の愛猫は、ここ最近全然吐いていません。
毎日体を舐めていますから、きっと体内には大量の「毛」が飲み込まれているはず。猫がグルーミングで飲み込んだ「毛」はどうなっているの？もしかして胃の中にたまっているのかも？
■猫が飲み込んだ毛はどこへ行く？
まず猫が飲み込んだ毛は、食道を通って胃の中に入ります。他の食べ物と毛が一緒に胃酸などとともに撹拌され、その後小腸に送り込まれます。
ただし、猫によっては胃の中に毛があると「異物」と判断し、脳が猫に吐け、と命令をします。この命令が下るのは、毛の量や胃の状態によります。
猫がこのような場合に嘔吐をするのは、「異物を外に排出する」という生理的な自然現象。心配することはありません。
さて、小腸に送り込まれた毛は、そのまま吸収されずに大腸まで通り抜けます。小腸と大腸は食べ物から栄養素を吸収する器官ですが、毛はもちろん栄養とならないために通過してしまうのです。
入り組んだ小腸を通り抜けて大腸までくればもう安心です。あとはウンチと一緒に外に排出されます。
■吐く、吐かないは猫によって違う
毛球を吐く猫は、それだけ胃の中に毛がたまりやすい、つまりグルーミングを頻繁にする猫と言って良いでしょう。
猫のグルーミングの回数は猫の性格によります。猫は怖い思いをしたときや、ストレスを感じたときなども頻繁にグルーミングをすることがあります。猫はグルーミングをすることで、気持ちを落ち着かせ、リラックスしようとするのです。
もし最近グルーミングの回数が突然増えた、という場合は、なんらかの猫のストレス要因があるのかも。猫をよく観察してみてください。
■猫の毛球症とは
飲み込んだ毛は、吐き戻すかウンチとして排泄されるのが普通ですが、稀に胃の中に蓄積されてボール状に固まり、溜まってしまうことがあります。これが毛球症です。毛球が胃の出入り口を塞いでしまうと食べ物がうまく通らなくなり、激しい嘔吐を繰り返すようになります。
この状態が続くと猫が脱水症状を起こすこともありますから、1日に何度も吐くようなら、動物病院を受診して相談した方が安心です。
■猫の毛球症を予防するには
愛猫の毛球症を予防するには、3つの方法が考えられます。まず１つ目は何と言ってもブラッシング。
我が家のカイトはゴム製のラバーブラシが大好き。これでブラッシングするとお尻を高く上げて喜びます。
以前使っていた、コーム状の櫛ではそれほど喜ばなかったので、猫によって好みがある様子。うちの子はブラッシングが苦手で、という場合は、ブラシを変えてみると良いかも知れません。
2つ目の方法は、トリミングをしてもらうこと。これは長毛な猫ちゃんにしか出来ませんが、もし愛猫が長毛種でよく毛球を吐く習慣がある場合、一度毛を短くトリミングして様子を見るという方法もあります。
猫によって、トリミングすることによってグルーミングする回数が減ることがあります。ただし、毛には保温、断熱の役割があるので、風邪を引きやすいなど体調の気になる猫の場合は、時期などを見計らった方が安心です。
3つ目はフードを変えるという方法です。キャットフードには、食物繊維などを配合した、猫が毛をスムーズに排泄する機能を持つフードがあります。いつものフードに毛球対策用のフードを少しずつ混ぜて、愛猫の様子を観察してみるのも方法の1つです。
■最後に
いかがですか。案外多い猫の毛球症。グルーミングが好きな若い猫や中年の猫に多いといいます。猫の吐き具合によって、心配な場合は動物病院で予防薬も処方してもらえます。多くはゼリー状のお薬で、猫に舐めさせるタイプの薬です。
通年で必要な場合もあれば、猫の換毛期だけこうした予防薬を投与する飼い主さんもいるようです。
猫の吐き具合が気になる人は、1度動物病院で相談すると良いでしょう。予防薬はホームセンターやネットでも購入は可能ですが、与え方によっては軟便になってしまった、という話も聞きますから、やはり獣医師に相談した方が安心です。
大谷翔平・野球ニュース