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80年間もドアストッパーだった石が実は「1000万円の価値がある隕石」だった!


一攫千金のチャンスは空から降ってくるかもしれません。

米ミシガン州に暮らすデイヴィッド・マズレク(David Mazurek)さんは、その数少ない幸運をつかんだ男性の一人です。

彼は長年、自宅のドアストッパーとして重さ約10キロのゴツゴツとした岩石を愛用していました。

ところが2018年になって、これが日本円にして1000万円を超える隕石であることが判明したのです。

マズレクさんは扉を開けておくのに1000万円をかけていたわけですが、またこの隕石が彼の手に渡った経緯も不思議なものでした。

目次

  • 1930年代に落下して以来「ドアストッパー」として使われていた
  • 日本円で1000万円を超える価値があった!

1930年代に落下して以来「ドアストッパー」として使われていた

マズレクさんは1988年にミシガン州中部のエドモアで農場を購入しました。

売り主である前の所有者に土地を案内され、家を内見しようとドアを開けた所に、大きな岩石が置いてあったといいます。

売り主に「これは何ですか」と聞いてみると、彼は淡々とした口調で「隕石ですよ」と答えたという。

彼の話によると、まだ子供だった1930年代に夜空から農場の敷地内に隕石が落ちてくる瞬間を父親と目撃したのだそう。

落下時にはドカン!という物凄い衝撃音があたりに響き渡りました。

翌日の朝、父親と現場に向かったところ、クレーターと一緒にまだ熱を持った隕石を発見したのです。

それ以来、売り主は自宅に持ち帰った隕石をドアを開け放しておくためのストッパーとして使い始めました。

こちらが実際の隕石の写真です。

農場に落下しドアストッパーとして使われてきた隕石(22.5lbs=約10.2kg)
Credit: CMU –Real shooting star lands at Central Michigan University(youtube, 2019)

この話から「さぞ大切にされてきたのだろう」と思いきや、売り主は「隕石も物件の一部だから」とそのままマズレクさんに貴重な隕石を譲り渡したのです。

それから30年間、マズレクさんも前の持ち主と同じく隕石を自宅のドアストッパーとして使ってきました。

途中、農場から引っ越すことがありましたが、隕石を手放すことはなかったという。

ただ話のネタとして時々、自分の子供の学校に隕石を持って行って子供たちに披露したといいます。

ところが2018年になって、マズレクさんは同じミシガン州で見つかった隕石が高値で売却されたという話を耳にし、「ちょっと待てよ、私の隕石は一体どれくらいの価値があるのだろう?」と気になり始めました。

そこで地元のセントラル・ミシガン大学(CMU)の地質学者であるモナ・シルベスク(Mona Sirbescu)氏に鑑定を依頼することになったのです。

日本円で1000万円を超える価値があった!

シルベスク氏は当初、隕石の鑑定にあまり乗り気ではありませんでした。

というのも彼女が同大に赴任して18年間、何度も「隕石だと思うから調べてほしい」との依頼を市民から受けたのですが、一度として本物だったことがなかったからです。

しかしマズレクさんが持ってきた岩石を見ると「すぐに何か特別なものだと分かった」と話します。

そして詳しく調べた結果、岩石は鉄が88.5%、ニッケルが11.5%と、地球上の岩石では見られない組成の「鉄隕石」であることが判明したのです。

鉄隕石は一般に約90〜95%が鉄、残りはニッケルとイリジウム、ガリウム、ときに金を含む微量の重金属で構成されています。

(酸素が豊富な地球では鉄が錆びずに残るのは難しいので、天然の鉄の塊があると、だいたい隕石と判断できる)

「エドモア隕石」と命名された
Credit: CMU –Real shooting star lands at Central Michigan University(youtube, 2019)

さらにこの隕石は過去にミシガン州で見つかった隕石の中で6番目の大きさであり、値段にして約7万5000ドル(日本円で1000万円以上)の値段が付けられました。

シルベスク氏は「これまでの人生で扱ってきた隕石の中で、金額的にも科学的にも最も価値が高いものでした」と述べています。

そんな高価な隕石が約80年もの間、専門家の目に触れぬままドアストッパーとして過ごしてきたことは驚きです。

最終的に、持ち主のマズレクさんは隕石を米ミシガン州立大学(MSU)のエイブラムス・プラネタリウム(Abrams Planetarium)に売り渡し、利益の10%はシルベスク氏の所属する地球・大気科学部に譲渡されました。

エイブラムス・プラネタリウムに売却された隕石
Credit: Abrams Planetarium

こうしてマズレクさんは一攫千金をものにしましたが、同じようなチャンスは稀ながらも、地上のどこかに転がっているはずです。

先日には、スペイン領のラ・パルマ島に打ち上がったマッコウクジラの体内から50万ユーロ(約7700万円)相当の「龍涎香(りゅうぜんこう)」が発見されました。

龍涎香はマッコウクジラの腸内でのみ産出される結石であり、希少性の高い香料として高値が付きます。

龍涎香はクジラの体外に排出されて海を漂い、浜辺に漂着することがあるものです。

道端や海辺を散歩していて、それっぽい石ころを見つけたときは隕石か龍涎香の可能性もあるので、とりあえずレスキューしておくと、後で幸運が舞い込んでくるかもしれません。

打ち上がったマッコウクジラから7700万円相当の「龍涎香」が見つかる!

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参考文献

Man Uses Strange Rock as Doorstop For Decades. It Turned Out to Be Worth a Fortune. https://www.sciencealert.com/man-uses-strange-rock-as-doorstop-for-decades-it-turned-out-to-be-worth-a-fortune CMU PROF CATCHES A FALLING STAR https://www.cmich.edu/news/details/cmu-prof-catches-a-falling-star
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