そもそも猫には縄張りがあるのか?
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ハッキリわかっている事実として、猫はその昔の野生の性質を現代でも残している、数少ない家畜だということです。
多くの猫の種類は、その歴史上、農家の倉庫や食料の備蓄でそれを小動物の被害から守るために飼われて来ました。そのため、狩りをするための移動距離も最初から非常に範囲が狭いのです。
猫が現在に至るまでの長い歴史がわかります。
新石器時代、中近東地域から農耕が広まり始め、穀物が保管されるようになるにつれて、ネズミが爆発的に増加したために、穀物庫の番人役としてネコが村の中で重宝されるようになったといわれる。出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%B3%E3%81%AE%E6%96%87%E5%8C%96
猫の縄張り範囲は、獲物の数に左右される
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猫は単独で行動し、移動もその範囲、移動する距離も仲間と行動することはありません。
野良猫が群れて見えても、それは目的が狩猟という一つの目標が同じであり、それにそって行動しているからで、餌を家から貰う場合でも共有して分け合うことは絶対しないのが、猫の特徴です。
野生の猫や野良猫が他の猫と一緒に暮らせるのは、それは母猫と子猫の関係が続いており、それにより限られた範囲を移動し、その中で行動しているからです。
子猫は成長して自分で獲物を探す時期が来れば、母猫の縄張りを出ていき、一匹で行動をするようになります。
しかし、だからと言って極端に移動しているわけではなく、距離にしてもそこからせいぜい数百メートル離れた距離の場所に移動しているだけが多いです。
近親交配を本能的に防ぐために、同じ血縁の猫は同じ縄張りの中で行動したりしないため、その縄張りよりも距離のある場所で暮らします。
従って、移動して行き着いた場所の餌を得られる場所の数、あるいは獲物の取れる割合によって、その地域の野良猫などの頭数が変わるのです。