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猫の毛はどのくらいの速さで伸びる?被毛の生え方や生え変わり周期を解説!


猫の毛はどのくらいの頻度で伸びる?

猫の毛

MR. MAHA SOMSAK/shutterstock.com

猫の個体にもよりますが、猫の毛は柔らかくてフワフワしているので、触るとクセになる気持ちよさですよね。

でも猫を飼っていると猫の毛が部屋の至る所に飛び散るため、掃除に追われる日々を送っている飼い主も多いことでしょう。特に長毛種の猫を飼育しているご家庭は、愛猫の毛の掃除は大変なことと思います。

そんな抜け毛の激しい猫ですが、毛はどのくらいの頻度で伸びているのでしょうか?この記事では、猫の毛が伸びる速さについて詳しく解説していきます。ではまず、猫の被毛の役割について見ていくことにしましょう。

猫の被毛の役割とは

くつろぐ猫

ANURAK PONGPATIMET/shutterstock.com

猫の被毛はとても手触りがよく、気持ちいいものです。実は猫の被毛は猫種によって毛質や手触りが違うことをご存知でしたか?

そもそも猫の毛にはどんな役割があるのでしょうか。猫の被毛はデリケートな皮膚を守る重要な役割を担っています。猫の皮膚はとてもしなやかで薄く、伸び縮みをし、皮膚に余裕があるというネコ科の肉食系の特徴を備えています。

特に皮膚の余裕が優れているため、爪や牙などでお互いに簡単に傷がつかないようにできています。そんな皮膚を守るために、被毛は大きく3つの役割を果たしています。

役割①クッション性

猫の被毛はクッション性の役割を果たしています。たとえば体の一部をぶつけたときや、ほかの猫から爪や牙などで外的負傷を負ったとしても、被毛のクッション性があるおかげで衝撃を吸収し、皮膚を保護してくれます。

役割②防水

皮脂腺からの分泌物のおかげで皮膚や被毛の乾燥を防ぎ、水に濡れにくい防水の役割を果たしています。それにより細菌感染や紫外線によるダメージを受けないよう、被毛がデリケートな皮膚を守っています。

役割③断熱や保温

猫の被毛は夏毛と冬毛仕様の2パターンあり、生え変わることで体温調節をしています。軽くウェーブした毛が密集して生えることで空気の層ができ、外部からの暑さを防ぐ断熱材のような役割を果たします。また寒い時期は身体から発散する熱が逃げないように、保湿剤のような働きをします。

猫の被毛の構成

猫の毛は、ひとつの毛穴から約10~12本の毛が生えていると言われています。毛の密集度はお腹が一番多く、背中の倍以上の毛が密集しています。猫の毛は全部で3種類あります。

ガードヘア(上毛)

ガードヘアはオーバーコートやプライマリーヘアとも呼ばれ、被毛の中で最も長くて太く、直毛で硬い毛をしています。皮膚を保護する役割があるので、水や紫外線などを防ぐ働きをしています。

オーンヘア(下毛)

オーンヘアは2種類ある下毛の中でダウンヘアよりも若干長く、上毛よりも少し細くて硬めの粗い毛質をしています。防水や紫外線から皮膚を守ることや保温の働きをしています。

ダウンヘア(下毛)

ダウンヘアは2種類ある下毛の中で一番細くて柔らかく、ウェーブがかかっている毛です。皮膚に密集して生えており、換毛期に生え変わります。暑さ予防のための断熱や、体温が逃げるのを防ぐための保湿などの働きをします。また、被毛全体をふっくら見せる効果もダウンヘアが担っています。

猫の毛が伸びる速さはどのくらい?

猫の抜け毛

DreamBig/shutterstock.com

では猫の毛は、どのくらいのスピードで伸びるのでしょうか?ある研究結果によると、伸びるスピードは1日0.3㎜ほどと報告されています。季節の影響もありますが、1週間あたり約2㎜ほどと言えるでしょう。

人間の髪の毛も1日に伸びる長さは約0.3㎜なので、猫も人間も毛が伸びる速さはほぼ一緒のようです。

抜け毛が多いのにハゲない理由とは?

では、猫は常に毛が抜けるのにどうしてハゲないのでしょうか?それは上記でも触れたように、ひとつの毛穴からたくさんの毛が生えているからです。

人間の場合は、通常ひとつの毛穴から1本の毛しか生えませんが、猫はひとつの毛穴から10~12本の毛が生えています。毛が生える速さはゆっくりですが、1㎝四方につき平均1,000~1,200本の毛が生えているなら、毎日毛が抜けてもハゲることはないはずです。

猫の毛は自然に抜ける

猫の毛は、ある程度の長さになったら自然に抜けていきます。毛根の成長期を過ぎるとさらに毛の伸びる速さはゆっくりとなり、やがてストップします。成長が止まった毛の毛根は、すでに組織から分離されています。

そのため古い毛の下から新しい毛が生てくることで、新しい毛が古い毛を押し出して自然に抜けるサイクルとなっています。猫の毛はサイクルに合わせて自然に抜けていきますが、季節の変わり目の換毛期には、大量の毛が一気に抜けます。

換毛期は年に2回春と秋にあり、夏毛や冬毛仕様の被毛へと変わっていきます。特に5~7月頃は冬毛から春毛に変わるため、抜け毛が多くなります。春から夏にかけて生えてくる毛の場合、密度が少なく少し粗い夏毛仕様の毛が生えてきます。

一方、夏から秋にかけては柔らかくて細く、寒さをしのげるよう保湿機能に優れた毛が生えてきます。

換毛期の抜け毛の量は猫種によって異なってきます。一般的に下毛の多い猫種や長毛種ほど、抜け毛の量は多くなると言われています。また、換毛の時期は気温や日光の量などの影響により個体によって差があります。

近年は完全室内飼いの猫も増えており、1年を通して少しづつ生え変わっていますが、換毛期には一段と抜け毛の量は増えます。

猫の毛の生え方について

ペルシャ猫

Eric Isselee/shutterstock.com

猫の中にはいわゆる猫っ毛ではなく、ゴワゴワした剛毛の被毛を持つ猫もいます。猫の種類によって毛質が異なってくるため、触り心地も変わってきます。そのため、猫の毛質にあったブラッシングアイテムや方法をとる必要があります。

猫の被毛の種類は、2種類の被毛を持つ”ダブルコート”と、1種類のみの”シングルコート”の2つのタイプに大きく分類されます。

短毛種

・ダブルコート
短毛種のダブルコートは、アンダーコートの上に短いオーバーコートが生えています。代表的な猫種にはアメリカンショートヘア、ロシアンブルー、アビシニアンなどが挙げられます。

・シングルコート
短毛種のシングルコートは短いオーバーコート、もしくはアンダーコートのみが生えています。代表的な猫種にはシャム、レックス、デボンレックス、コーニッシュレックスなどが挙げられます。

長毛種

・ダブルコート
長毛種のダブルコートは、長くてボリュームのあるアンダーコートとオーバーコートが生えています。代表的な猫種にはペルシャ、ヒマラヤン、メインクーン、ラグドール、チンチラなどが挙げられます。

・シングルコート
長毛種のシングルコートはアンダーコートがなく、シルクのような手触りのオーバーコートだけが生えています。代表的な猫種にはアンゴラ、ソマリ、ターキッシュなどが挙げられます。

換毛期には愛猫をシャンプーしてあげよう!

基本的に猫はセルフグルーミングをして被毛のお手入れをしているので、定期的にシャンプーをする必要はほぼありません。しかしシャンプーをしてあげると、不要な毛を取り除いてあげることができます。なので抜け毛の量が一気に増える換毛期にはシャンプーが効果的です。

もちろん、一度のシャンプーで不要な毛をすべて取り除くことができるわけではありません。それで、換毛期は間隔をあけて定期的にシャンプーをしてあげることができるかもしれません。ただし猫の多くはシャンプーを苦手としているので、愛猫のストレスにならないようにしましょう。


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