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猫がエリザベスカラー付けているときのトイレはどうするべき?ポイントを紹介


猫のエリザベスカラー

エリザベスカラーを付けている猫

elwynn/shutterstock.com

去勢手術やその他の手術を行った時に、猫が首に付けているのがエリザベスカラーです。猫からすると自然界のものではないため、大きな違和感を感じているはずです。

猫がエリザベスカラーを付けているときは、飼い主としてどのようにサポートしてやればいいのでしょうか?

エリザベスカラーとは

大抵の場合、エリザベスカラーは首に装着するラッパ上の保護器具を指します。首をすっぽり覆う形状で、顔が体に届かないようにします。かの有名なイングランドの女王、エリザベス1世が常用していた立て襟に似ているため、このように呼ばれています。材質はプラスチックで、柔軟性と軽さを併せ持った設計です。

エリザベスカラーは便利ですが、付けているとトイレに入りにくいという弊害が発生することがあります。猫用のトイレは覆いが付いていることが多く、エリザベスカラーを付けたままでは、中に入ることも向きを変えることもできないからです。

それによってトイレを我慢したり、トイレを使わずに部屋の中で粗相するようになる可能性もあるため、カバーや屋根のないタイプのトイレを用意する必要があるでしょう。しかし、そもそもエリザベスカラーが必要になるのはなぜでしょうか?

傷を舐める意味

自分の体を舐めている猫

Evgeny Karandaev/shutterstock.com

猫や犬は、外傷を負うと傷口を舐めて治そうとします。舌が届けば一日中舐め、舌が届かないところは仲間が舐め、とにかく舐めることが治療かのように甲斐甲斐しく傷口を舐めます。

確かに、唾液には殺菌作用があると言われているため、詳しく知らなくとも舐めるに任せたほうがいいのではないかと思いがちです。

唾液には確かに一定の効果がありますが、猫の場合は少し注意が必要なようです。ここで動物の唾液の効果や猫の場合の注意点をご紹介します。

動物の唾液の効果

2017年8月にチリ大学のが発表したところによると、唾液に含まれるヒスタチンと呼ばれるタンパク質が、傷口を治す特別な効果を持っていることが明らかになりました。ヒスタチンには抗菌作用があり、傷口を塞ぐ効果については以前より知られていたようです。

しかし、チームは唾液をさらに研究し、細胞組織や血管を新しく組織し、細胞同士を接着させることで傷口の組織を再生することを突き止めます。これにより、唾液には確かに傷口を塞ぎ、より早く回復を促す効果があることが分かりました。今後は、ヒスタチンを使って口の中以外の傷を早く治せないか研究が続けられるようです。

この点で、傷を本能的に舐める野生動物は、まさに生まれながらに唾液の効果を知っていることになります。

唾液には、リゾチームやIgAなど、風邪薬や免疫に使われているような成分も含まれており、非常に優れた傷の治療薬として機能します。動物が傷口を舐めると早く治るのは事実であるようで、舐めない場合に比べて3~4倍早く傷口が治るという実験結果も報告されています。

本来雑菌だらけのはずの口の中の傷の治りが早いのは、これらの成分により傷口の殺菌や組織の再生が早まるという効果があるからです。

では、猫が傷口を舐めたい場合はエリザベスカラーを外した方がいいのでしょうか?

舐性皮膚炎の恐れがある

実は猫が傷口を舐めるのは、他の動物に比べて好ましくない結果になることが多いようです。その理由は猫の舌の形状にあります。

猫の舌には、糸状乳頭(しじょうにゅうとう)という突起があり、犬やその他のペットに比べてざらざらしています。猫を飼っている方はよくご存じのはずですが、舐められ続けると痛いほど舌がザラザラしているため、それで傷口を舐め続けると悪化させてしまうことは容易に想像できます。猫が傷口を舐め続けると皮膚炎になることがあり、それを舐性皮膚炎と呼びます。

舐性皮膚炎は、舐められる範囲ならどこでも発生し、毛がなくなってしまう程酷くなることがあります。

本来、グルーミングや毛づくろいの意味で猫は身体を舐めますが、過剰なグルーミングはハゲやかさぶたが出来る原因となり、それが傷口を悪化させます。手術の傷口を舐め続ける場合、それが治療の妨げになってしまうことも珍しくありません。

傷口は、治りかけるとかゆみを生じさせるため、特に気になって舐めてしまうようです。手術などの傷口であれば、縫合した糸を噛み切ってしまう恐れもあります。治りかけの皮膚を傷付けると、当然ながら回復は遅くなってしまいます。

実は、傷口が治っていれば糸を噛み切ってしまっても特別問題はありません。傷口が開かないようにするのが縫合の目的であるため、傷が塞がると抜糸で人工的に糸を取り除くからです。

しかし、傷口をなめる効果にも限界があり、雑菌の侵入や、先ほど述べたような回復の遅れにつながるため、あまりに早い段階から傷口を舐めさせるのは、やはりやめさせる方が賢明です。

エリザベスカラーを嫌がる場合

屋根のついていないタイプの猫のトイレ

Africa Studio/shutterstock.com

そのように、傷口に舌が届かないよう、物理的に防ぐのがエリザベスカラーの目的ですが、猫によってはエリザベスカラーにいつまでたって馴染まないことがあります。

猫がどうしてもエリザベスカラーを気に入ってくれない場合、飼い主として何が出来るでしょうか?

エリザベスカラーをつけていても、快適にトイレに入れるようにする

繰り返しになりますが、エリザベスカラーをつけると、屋根付きやカバー付きのトイレに入ることができません。

猫は清潔好きであるため、今まで快適だったトイレでおしっこやうんちができないのは非常に大きなストレスになります。そのうち外で粗相をするようになるかもしれませんが、それも猫には不快なことです。

ですからカバーを外してください。カバーを外しても、トレーの縁やサイドカバーにエリザベスカラーが接触するようであれば、さらに大きなトイレケースを用意するか、縁が高くないデザインのトイレに交換しましょう。

猫がトイレする様子をそっと観察して、煩わしそうにしていないか、どのようにエリザベスカラーが接触しているかを見てみましょう。

高いトレーを用意する

エリザベスカラーをつけていて困難になる他の動作は、エサを食べることや水を飲むことです。

今までは、顔を下げるだけで届いていたトレーが、エリザベスカラーによって完全に届かなくなるからです。猫が快適に食餌や水分補給できるように、トレーの高さを上げてください

しかし、そのトレーはエリザベスカラーの中に入るサイズの物でなければなりません。エリザベスカラーは、裾こそ大きくラッパ状に広がっていますが、顔に近づくにしたがって狭まっていきます。

トレーの大きさが奥まで十分に届くほど小さくない場合、トレーの高さを上げるだけでは不十分です。一回り小さな物に交換するなどの対策が必要です。

エリザベスウェア

エリザベスカラーではなく、現在普及しつつあるエリザベスウェアを着せるという方法もあります。エリザベス女王が着ていた服に似ているという訳ではありませんが、術後服として使用することからこのように呼ばれている犬猫用の服です。

・エリザベスウェアのメリット
エリザベスカラーでは、上記で述べたようなストレスや不都合が多いことから、それに代わるより良い手段として使用されつつあります。エリザベスウェアは、見た目は犬猫用の衣服に他なりません。ジッパーでしっかりと固定できるようになっており、体にフィットする柔軟なデザインです。

素材で幾つも機能を付加できるため、紫外線カットや抗菌消臭、体の保温になったりなどの嬉しい効果もあります。エリザベスカラーがどうしても使えないケースや、エリザベスカラーではペットが可哀そうとの声もたくさんあったため、快適でよりストレスフリーになるように作られています。

エリザベスカラーは、周囲が見えないという理由でもストレスになることがあります。猫が周囲の様子を確認できないと、本能的な危機感からストレスを感じ、それが原因で動かなくなったり、逆にさらなる問題行動を起こしたりすることさえあります。

これが、首周りの自由度や視界を制限しないウェアであれば、体を保護しながら視界を完全に確保することが可能です。ウェアは締め付け過ぎないように設計されていますが、ジッパーで締め付け強度は調整可能です。

手術後は痛みであまり動かないかもしれませんが、治りかけでは違和感を強く感じるようになります。ウェアを緩めることも締め付けることも簡単なため、猫が傷口を舐める頻度や癖によって、フィット感を簡単に調整できます。

エリザベスカラーも、首に接触する部分は出来るだけ快適なように作られていますが、帽体をどうしても首だけで支えなければならない構造から、違和感を拭い去ることは難しいのが事実です。

エリザベスウェアであれば、締め付け過ぎないように注意すれば、カラー程の違和感を感じずに自由に動くことが可能です。エリザベスウェアは体全体を包み込むため、腹部や胸部など気になる部分をすべて覆います。

・エリザベスウェアのデメリット
デメリットを挙げるとすると、足先や尻尾の先までは覆うようになっていないため、その部位を舐めるのを防ぎたい場合は他のウェアを用意しなければなりません。その点、エリザベスカラーであれば口がどこにも届かなくなるため、舐めることができなくなるという意味では優れています。


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