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猫はどこから伝来してきたの?猫の歴史や人間との共生生活を紹介


猫の歴史はどんな感じ?

猫の壁画

Patrick Poendl/shutterstock.com

愛らしいルックスと仕草で人間を魅了してやまない猫。私たちの生活に楽しみと喜びを与える存在として、老若男女に愛され大切にされていますよね。今は愛玩動物として世話されている猫が多いですが、もともとは猫も野生の動物だったはずです。肉食動物の猫は狩りをして生活していたことでしょう。

「猫はネズミ捕りのために日本に連れてこられた」というのを聞いたことがある方もおられるのではないでしょうか。いつから猫は人間と一緒に暮らすようになったのでしょうか?また日本に猫がやってきたのはいつからなのでしょうか?今回は猫の歴史について紐解いてみましょう。

イエネコは野生のヤマネコが家畜化したもの

現在、おうちで飼われているイエネコは、野生のヤマネコが家畜化したものです。世界のイエネコ計979匹をサンプルしたミトコンドリアDNAの解析結果により、イエネコの祖先は約13万1,000年前に中東の砂漠などの生息していたリビアヤマネコであることが分かっているそうです。

イエネコが人間と凝らすようになったのは約5,000年前の古代エジプトのころから、というのが長い間の定説とされてきました。当時のエジプトでは、ナイル川流域の肥沃な農地から収穫した穀物を倉庫に蓄えており、それをネズミから守るために猫を飼っていた、という説です。3,600年ほど前の絵画に、人間と暮らす様子が描かれていることなどがその根拠として挙げられています。

しかし21世紀に入り、地中海のキプロス島のシロウロカンボス遺跡で、約9,500年前の墓から猫の骨が発掘されたことで、飼い猫のエジプト起源説が覆ります。この骨をDNA解析したところ、リビアヤマネコと同じ系統に属していることが判明しました。初めて人に飼われた猫から現在のイエネコに直接系統が連続しているかは不明確ながら、今のところはこれが最古の飼育例とされています。

優秀なハンターとして穀物倉庫で大活躍

猫と並ぶペットの代表格である犬は、最初の訓化(家畜化)動物とされ、人間との関わりは2万年以上にもおよぶと言われています。それに比べると猫と人間との共生関係は短いものと言えるでしょう。なぜそのように言えるのでしょうか?

犬は狩猟採集民にとって猟犬や番犬、使役犬として優秀な能力を発揮しました。知能が高く、もともと群れを形成する社会的な動物でもあり、飼育にも適している動物と言えるでしょう。また、雑食傾向にある犬は人間が与えるエサで飼いやすく、そのことも早くから家畜化できた要因と言えるかもしれません。

一方、猫は完全肉食動物であり、狩猟者にとっては当初、同じ獲物を狙う競合関係にありました。しかし、やがて人間が農耕を行なうようになるとその関係に変化が起こります。穀物倉庫などに現れるネズミやのウサギを狩るために、猫は人間の生活圏に頻繁に足を踏み入れるようになり、やがて倉庫に住み着くようになりました。

肉食である猫は穀物に手を出すことはなく、穀物を荒らすネズミなどの害獣・害虫を駆除してくれる番人の役割を期待されるようになります。農業を行なう人にとって収穫物を荒らされることは生活に大きな影響を与えるものとなりますので、猫は人間の生活を守るために働いてくれていたことが分かります。

現在の猫種であるメインクーンやアメリカンショートヘアーなども、もともとは農場で活躍するハンターであり、その高い狩猟能力によってネズミたちを震え上がられていた存在でした。アメリカンショートヘアは日本では「アメショ」と呼ばれますが、アメリカでは「マウサー」と呼ばれることが一般的で、その理由は彼らの先祖が「ネズミ捕りが上手だから」ということにちなんでいると言われています。

伝染業を媒介するネズミを駆除することは、結果的に疾病の予防にもつながりました。さらに、書物の紙など食害されやすい素材が現れると、これを守ることでも活躍するようになります。

日本の猫の歴史

年季がある日本の招き猫

Krikkiat/shutterstock.com

メソポタミアから古代エジプトに伝わった猫はそこで家畜化がほぼ完了し、現在の姿になったと言われてします。そののち地中海を渡ってヨーロッパにも広がっていきます。さらにその後、長い旅を経て中国に伝わり、そして中国から日本に仏教の伝来と共に持ち込まれたと考えています。

つい最近まで、中国から日本に渡ってきた年代は、奈良時代から平安時代の初期頃(1200~1300年前)とされてきました、一説によると、中国からの仏教の経典を日本に運ぶ最中に、経典をネズミから守るために猫もセットで日本に渡ってきたと言われてきました。しかし、10年ほど前に行なわれた遺跡の発掘によって、猫の伝来の時期がさらにさかのぼることになります。

須恵器から猫の足跡が見つかった!

その歴史を塗り替える証拠は、2007年に兵庫県姫路市の見野古墳から発見されました。その遺跡から猫の足跡がついた須恵器(すえき)が見つかったのです。これは、少なくともこの須恵器が作られた時点で日本に猫がいたといる決定な証拠です。

おそらく、ろくろを回して作った器は、窯で焼く前に、台か何かの上に所狭しと並べられて乾燥させていたのでしょう。器の間を当時の猫がキャットウォークを渡るように歩いていたところ、バランスを崩すか何かでまだ柔らかい器を踏んでしまったのかもしれません。

その状況をイメージするととても微笑ましいですね。踏んでしまった猫も、きまり悪い顔をしていたに違いありません。ともあれ、この猫の足跡が日本への猫の伝来の歴史を塗り替えることになったのです。

須恵器は、日本で古墳時代から生産されていた陶質土器なので、猫が今からおよそ1,400年前の古墳時代後期か飛鳥時代には、確実に日本に存在し人間と一緒に暮らしていたという証拠になりました。

猫の時代は弥生時代までにさかのぼる

その後さらに発見が続き、その翌年の2008年には長崎県壱岐島のカラカミ遺跡から、魚やヘビ、シカやイノシシの骨に混じって、十数点の猫の骨が見つかりました。年代を推定した結果、これらの骨は今から2100年前の弥生時代のものであることが判明しました。この発見によって、日本への猫の伝来がいっきに700年もさかのぼることになりました。

中国に猫が伝えらえたのが今から2000年前と言われています。そうすると中国に猫がやってきたのとほぼ同じ時期に、あるいはそれよりも早く、日本の壱岐島に猫が伝わったということになります。もしかするとまだ知られていない別ルートで、猫は日本にやってきたのかもしれません。

例えば、海路でインドや東南アジア方面から船に乗せられて直接日本に行ったなど、まだ明らかにされていない埋もれた歴史の中に、日本への猫伝来の真実が隠されているのもしれませんね。今後も、遺跡の発掘やDNA解析などによって、ぞくぞくと新事実が明らかになっていくに違いありません。これからも新たな発見を見守っていくことにしましょう。


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