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人間用のソーセージやハムを犬が食べても問題ない?栄養素や危険性の観点から解説!


人間用のソーセージやハムを犬に与えても大丈夫?

ソーセージが刺さったフォークをくわえる犬

Javier Brosch/shutterstock.com

犬は肉食寄りの雑食です。何でも食べますが、特に肉や肉の味が付いたものを好みます。犬を飼っておられる方は、愛犬が人間用の加工肉の代表であるソーセージやハムにも興味を示す様子を見てこられたかもしれません。

では、人間用のソーセージやハムを犬に与えても問題ないのでしょうか、栄養素や危険性の観点から考えてみましょう。

人間が食べるソーセージやハムは与えない方が良い

結論から言うならば「与えない方がいい」でしょう。魚肉ソーセージなどであれば脂質も少なく、おやつとしてヘルシーな気もしてしまいますが、それでも塩分と脂質が多いので与えない方が良い理由です。

毒性や有害物質はありませんが、長期的な摂取は健康を害する危険性があります。

犬に人間用の加工食品を与えない方が良い理由

犬にはダメ

Monica Click/shutterstock.com

1.塩分の過剰摂取

ソーセージやハムを食べ続けると、塩分の過剰摂取になってしまいます。

誤解のないように言えば、犬にも塩分は必要です。犬でも猫でも人間でも、体液やあらゆる細胞、身体機能が正常に機能するためには、ナトリウムによって電解質のバランスを取らなければならず、要するに塩分を必要な量摂取しなければなりません。

犬は人間のように汗はかきませんが、不要な塩分のほとんどは尿から排出します。しかし人間用の食品では、塩分の過剰摂取になってしまうので、そのバランスが悪くなってしまうのです。

犬に必要な塩分は、体重1kg当り食塩が18mgとされています。この量が摂取すべき塩分の最低量です。人間の場合、厚生労働省の最低1500mgという指針を当てはめると、体重1kg当たり30mgということになります。

人間もそれなりに塩分を取らなければならないとはいえ、現代の食事は塩分過多になっていることが多いと言われています。

塩分はこれより少ない量のみ摂取していなければ、心臓や酸素供給など身体機能が十分に機能しなくなります。こうした点を考えると、犬に塩分が必要だとする説は生物学的に正しくないと言わざるを得ないでしょう。

犬も、人間と同じように腎臓で塩分を処理しています。腎臓が機能する以上、塩分は補給しなければなりません。

しかし、前述のように人間でさえ塩分は過剰に摂取しています。明らかに塩気を感じるソーセージやハムを毎日与え続けると、犬の腎臓では処理しきれない塩分を摂取することになります。減塩タイプや味の薄いものでさえ、食塩1g程度は含んでいます。

では、犬が塩分を過剰摂取するとどのような健康被害があるのでしょうか?

犬が塩分を過剰摂取すると、血圧が上昇し心臓の疾患を引き起こしやすくなることが考えられます。しかしこれについては確言できないのも事実です。犬が高血圧や心臓病で死に、その原因が塩分過多の食生活だったという症例や研究結果がないからです。

それでも、塩分が腎臓に負担をかけるというのは事実です。実際、犬の高血圧は無症候性であり、全身性疾患の中で最も過小診断されている病気の一つです。

動物の高血圧は、そのほとんどが続発性高血圧(他の疾患が原因で生じる高血圧)であり、腎疾患や肝疾患などがその原因に挙げられます。

つまり、犬の塩分摂取過多による高血圧は未だに見過ごされている可能性があり、明確な臨床や研究結果はないものの、多くの犬の命を奪ってきたかもしれないということになります。これについては、今後のさらなる研究を待つしかありません。

2.高血圧になる可能性

犬の高血圧による実際の症状そのものは確認されています。高血圧そのものが原因で死亡したという症例はないものの、高血圧による様々な疾患は人間と同じように存在します。

犬にとって高血圧とは150/95mmhg以上であり、これは猫も同じです。犬が高血圧になると、眼に網膜浮腫や血管の蛇行、出血による脈絡膜細動脈の収縮、網膜色素上皮の虚血性壊死を引き起こす網膜症、脈絡膜症などが表れます。心臓には血圧上昇による高負荷や不整脈、心臓の雑音やギャロップ音が発生します。

脳にも害が及びます。運動失調やけいれん、うつ状態や攻撃的にならせる障害、場所や人の見分けがつかなくなる見当識障害が発生します。脳にまで高血圧性の障害が生じると、残念ながら予後が悪くなります。

腎臓へのダメージも当然大きく、糸球体硬化症など進行性で悪くなり続ける性質があります。犬の血圧を測ることは可能です。必要な器具を揃えた動物病院に行けば、簡単に測ることができます。ただし、個体差や犬種によって適さない場合があり、いつも正確な数値が出るわけではないようです。

犬の血圧を測るのは観察法と非観察法で、臨床現場ではドップラー血流検出、オシロメトリー、プォトプレチスモグラフィなどの非観察法が用いられます。

犬を落ち着かせ、正確性のために数回測定するといった方法で血圧を計ります。これにより高血圧と診断された場合、原因の特定と症状緩和のための治療が始まります。

3.腎臓や心臓への負担

繰り返しになりますが、現在塩分過多が犬の高血圧や死亡原因になるという確たる研究結果や報告はありません。これについて独断的な意見を述べることはできませんが、それでも腎臓に負担をかけることは確かです。

体内に必要以上の塩分が溜まると、水を飲んで薄めようとする生理学的な力が働き、実際に水を飲むことで体内の水分量も多くなります。それに比例して血液量も多くなり、心臓にはいつも以上の負担がかかります。

塩分過多による目に見える影響が出なくても、腎臓や心臓が徐々に弱っていき、いつしか愛犬が散歩も苦しそうになっていた、などというケースも容易に想像できます。少なくとも、ソーセージやハムによる必要以上の塩分を摂取させないことで、犬の寿命をいたずらに縮めずに済むでしょう。







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