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犬がイカやタコを食べても腰は抜かさない?含まれる成分や注意点を紹介していきます!


イカやタコは犬にとって有害なのか

イカ

NITIKAN TUMNITAYASAK/shutterstock.com

「猫はイカやタコを食べると腰を抜かす」と言われてきました。では犬はどうなんでしょうか?猫でなくても、犬もイカやタコを食べると何らかの影響があるのでしょうか。飼い主としては正確に知っておきたい情報でしょう。

実際のところ、イカやタコには毒性や有害物質が含まれているのでしょうか?取り上げていきましょう。

ビタミンB1欠乏症を引き起こす可能性がある

イカやタコに毒性や有害物質はありませんが、注意しなけれならないのは「チアミナーゼ」の存在でしょう。

チアミナーゼは、ビタミンB1(チアミン)を代謝する酵素です。これがイカにもタコにも含まれており、ビタミンB1を分解して吸収を妨げてしまうようです。主に生の内臓に含まれています。酵素であるため、加熱すると機能しなくなるのが特徴です。

ビタミンB1はなぜ重要か

ビタミンB1は、糖質や脂肪酸の代謝に使用される栄養素です。まず、ビタミンB1は体内でチアミン2リン酸という補酵素に変換され、3種類の酵素の動きをコントロールすることで炭水化物や脂質の代謝を行う準備を整えます。

これはアミノ酸の代謝にも関わっており、動物の生命維持に不可欠です。脳のエネルギーとなるのはブドウ糖ですが、これを代謝するのにもビタミンB1が必須です。脳の機能を強め活性化するため、ビタミンB1はサプリメントや食品にも多く使用されます。

私たち人間の場合も、また犬や猫も、体内でビタミンB1を合成できないため、食べ物から補給するしかありません。成犬で100kcal当たり29μg、猫では100kcal当たり125μgが必要とされています。

人間の場合で言うならば、脂質はもちろんアルコールの代謝にも必要となるため、いつも欠乏症の方が心配されます(過剰摂取による害の報告はなし)。これには、水溶性という特徴により摂り過ぎても排出できる機能が整っていることが関係していると見られています。

ドッグフードにもビタミンB1は十分に含まれていることが普通であるため、現在通常のフードを与えられている犬や猫でビタミンB1欠乏症になることはないとされています。

そこで問題となるのがチアミナーゼの存在です。チアミナーゼは、繰り返しになりますがビタミンB1を分解してしまう働きを有しているため、チアミナーゼを摂取することでビタミンB1欠乏症になるリスクが飛躍的に高まります。

実際、ビタミンB1欠乏症は人間のケースでも至る所に見られ、日本でも大正時代は「二大国民亡国病」として結核と共に恐れられていました。現在では脚気(かっけ)と呼ばれる同疾患ですが、ジャンクフードの食べ過ぎや偏食によっていつでも発生し得る疾患です。

それだけでなく、ビタミンB1が不足すると多発性神経炎や神経痛、筋肉痛、心臓肥大、肺高血圧症、ウェルニッケ脳症と呼ばれる運動失調や、意識障害をもたらす疾患をも引き起こす可能性があります。

慢性的に不足すると、神経が正常に機能しなくなるためにダメージを負いやすく、神経痛や炎症が頻発します。チアミナーゼが存在する意味は未だに研究中で、主に脚気や神経痛を引き起こす原因物質としてだけ知られているのが現状です。

ウシやヒツジも脳の障害を引き起こすことや、一種の魚が内臓ばかり食べるなどの現状を起こすなど、畜害や漁業での被害も確認されています。

ビタミンB1は水溶性であるため、尿に溶けて排出されてしまいます。体内に蓄えることが出来ないため、チアミナーゼが分解してしまうと貴重なビタミンB1をどんどん失うことになります。

猫には致命的

犬はまだ耐えやすい体の作りをしていますが、猫にとっては致命的になることがあります。前述のように、猫は必要なビタミンB1の量が犬に比べて非常に多く、これが「腰を抜かす」と言われている理由の一つとなっているようです。

魚介類の肉や内臓にはチアミナーゼが含まれていることが多く、魚介類を犬よりも与えられる機会が多いことも関係しています。

猫がビタミンB1欠乏症を起こすと、食欲低下や消化不良、十分に成長できない様子や唾液の異常な分泌などが見られます。体の変形やけいれん、発作、そして前述の神経炎や運動障害による震えや夜泣きなども起こります。

治療法としてはビタミンB1を投与する以外にありません。通常は処置後24時間以内に回復しますが、治療がなければ硬直や昏睡、さらには死に至る恐ろしい症状です。

注意すべきは、ビタミンB1欠乏症を引き起こすのはイカとタコだけではないということです。タラやタイ、マグロやカツオもチアミナーゼを含んでおり、ハマグリは圧倒的な量のチアミナーゼを含んでいるという点で危険な食材です。

ハモやヒラメ、キス、ブリなどは逆にチアミナーゼを含んでいないか、健康に支障をきたさない程度の量しか含んでいません。

魚介類だけかと思いきや、ワラビやゼンマイなどの山菜にも含まれているため、与える手作りフードやおやつの食材は十分にチェックしましょう。

猫に限った話ではありませんが、手作りフードは時に偏食や栄養不足の原因になり得ます。使用する食材は充分な調査と考慮のもとに選んでください。







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