はじめに


顔ハメ看板をきっかけに、この冬出かけてみるのはいかがでしょうか?師走に年明けマラソンに、何かと走ることを意識する時期。顔ハメ看板でも走っているように見えるものにハマりましょう。

Text&Photo:塩谷朋之

広島といえばでお馴染みのキャラクターに挟まれて、一緒にランニング、道の駅 世羅<広島>


高校駅伝の県予選で、男女揃って10年以上連続で優勝している駅伝の強豪校、世羅(せら)高等学校があるので、駅伝の町として有名な広島・世羅町。日本有数のランニングコースもあり、町全体で盛り上げています。そんな世羅町の道の駅に置かれている顔ハメ看板は、カープ坊や、カープ女の子と一緒に走れる駅伝もの。

顔ハメ看板の立派でモダンな造りからもわかるように、道の駅の方もスタイリッシュな佇まいです。世羅観光の拠点として観光協会が運営しており、インフォメーションカウンターに観光コンシェルジュがいたりと、世羅に訪れたら最初に行くべきスポットです。


◆道の駅 世羅
住所:広島県世羅郡世羅町川尻2402-1
電話:0847-22-4400
営業時間:8:00~18:00 ※自販機・休憩コーナー・トイレ・駐車場は24時間開設
定休日:12月31日

遠路はるばる、道中も楽しめる、道の駅わきのさわ<青森>


青森は下北半島の鉞(まさかり)の突端までわざわざ行くのも惜しくない、立派な丸太造りの顔ハメ看板がそこにはあります。こっそり手が出せるタイプ。江戸時代から幕府への献上品とされていたマダラを、北限のニホンザルがイノシシに乗っかり、駆け足でお届けしているという深みのある構図です。

レジャー施設も充実の道の駅で、4月から11月まではバンガローに泊まれたりします。行くこと自体が目的になり得る道の駅。たどり着く途中でも車道に普通にサルがいて盛り上がります。冬季は一部施設が閉まっていたり、土・日・祝日がお休みだったりしますが、それこそ行く価値があるというものです。


◆道の駅わきのさわ
住所:青森県むつ市脇野沢七引201-5
電話:0175-44-3252
営業時間:8:30~17:00
定休日:無し ※2019年11月1日~2020年3月31日までは「いのししの館」のみ営業

自分へのご褒美に、大切なあの人への手土産に、マーロウ 葉山マリーナ店<神奈川>


神奈川発の手作りビーカープリンで有名なマーロウ。神奈川と東京にいくつか路面店がありますが、葉山マリーナ店には走っているプリンの顔ハメ看板があります。こちらの看板は以前葉山店にあったものですが、移転に伴って、顔ハメ看板も移設されて本当によかったです(写真は移転前の葉山店になります)。手出しタイプの愉快な看板。ビーカープリンをいくつか購入して、手提げ袋を自慢するかのようにアピールするのもよいでしょう。

一個810円とプリンとしては少々高いですが、質と量、どちらも満足できる納得のスイーツです。手作りビーカーは食べ終わった後も、お洒落に再利用可能。この年末、自分へのご褒美に、大切なあの人への手土産などにいかがでしょうか。


◆マーロウ 葉山マリーナ店
住所:神奈川県三浦郡葉山町堀内50-2 葉山マリーナ プラザ棟1F
営業時間:喫茶:10:00〜18:30(LO18:00)、テイクアウト:10:00〜19:00
定休日:毎週火曜日 ※主に葉山マリーナに準ずる

ライダーのメッカ・国道162号線上で、顔ハメ看板にまたがる。道の駅 美山ふれあい広場<京都>


国道162号線沿いに建つ、道の駅 美山ふれあい広場にある看板。ここまで凝った造りの顔ハメ看板は、なかなかお目にかかれないなと感じます。正面からの写真ではわかりにくいですが、顔ハメ看板からバイクの前面が飛び出しているような格好です。

背景に写るのはこだわり製法でつくられる「美山牛乳」の工場。牛乳やソフトクリームといえば全国の道の駅ではお馴染みかもしれませんが、こちらの道の駅では工場が敷地内にあり、1ランク上の名物となっています。

国の重要伝統的建造物群保存地区である人気観光スポット「かやぶきの里」まで、車で10分ほどで行けるのも嬉しい。看板よろしくバイクで走って向かうのも乙なものです。


◆道の駅 美山ふれあい広場
住所:京都府南丹市美山町安掛下23-2(ふらっと美山)
電話:観光案内0771-75-9030(南丹市美山観光まちづくり協会)、土産・直売所:0771-75-0190(ふらっと美山)
営業時間:ふらっと美山:8:30~18:00(4月~9月)、8:30~17:00(10月~3月)

日本で4番目に古い動物園に、斬新な顔ハメ看板あり。甲府市遊亀公園付属動物園<山梨>


開業は1919年(大正8年)ということで、今年で100周年の歴史ある動物園です。市営なので入園料もお手頃。敷地面積も決して広くない、市民の憩いの場といった風情に惑わされがちですが、侮るなかれ、顔ハメ看板が所狭しと置かれています。

注目すべきはこちらの走っている馬の顔ハメ看板。走るにしても馬なのに二足歩行で、穴の場所も素晴らしいチョイス。穴から逸れたので顔が出ている馬の、表情の嬉しそうなこと。必勝の鉢巻もどこかほのぼのと感じられます。

こちらの動物園にある顔ハメ看板は、他にも飼育している動物や、ヘビに巻き付かれた人になれるといった干支にまつわるものもいくつかあるので、年賀状のネタに困っている方にもおすすめ。甲府駅からバスも出ているので、ついでに駅周辺で甲府城を観てみたり、山梨名物・ほうとうを食べてみたりするのがよいでしょう。


◆甲府市遊亀公園付属動物園
住所:山梨県甲府市太田町10-1
電話:055-233-3875
開園時間:4~10月:9:00~17:00、11~3月:9:30~16:30
休園日:毎週月曜日(ただし月曜日が祝日、振替休日の場合は翌火曜日)、12月29日~1月1日
アクセス:車:甲府南ICより約10分
料金:大人320円

おわりに


何かと忙しいこの時期ですが、躍動感のある顔ハメ看板にハマり、写真を見返すことで、いったん落ち着いてみるのはいかがでしょうか。こんなことができるくらいなら案外忙しくないのかもしれないと、気持ちに余裕が出ること請け合いです。忙しい時にこそ、顔ハメ看板にハマるような行為が人類には必要なんだと感じます。


◆塩谷朋之(しおや・ともゆき)
仕事の傍らハマれる看板を求めて出かける日々。これまでにハマった看板は4,000枚以上。2015年に『顔ハメ看板ハマり道』(自由国民社)を出版。2019年より都道府県を顔ハメ看板で見つめ直す『顔ハメ百景』シリーズ(阿佐ヶ谷書院)の刊行を開始。第一弾は長崎編。顔ハメ看板に関するアプリやイベントのプロデュース、情報発信を続ける。





情報提供元: 旅色プラス