はじめに


台北駅から特急電車で約1時間。ここ宜蘭は『孤独のグルメ』の台湾編で紹介されたことから、日本での認知度が一気に高まった、台湾北東の沿岸地域です。宜蘭を訪れる目的は、サーファーでないなら、礁溪温泉でゆるむこと。台湾ローカルなら日帰り温泉もアリですが、わざわざ出向くなら、近年充実してきたリゾートホテルで一泊を。オープン間もない「礁溪山形閣溫泉飯店(YAMAGATA KAKU HOTEL&SPA)」は、アクセスの良さが魅力です。

山をモチーフにした個性的な外観


「礁溪山形閣溫泉飯店」は、若い世代に人気の「柑子商旅ORANGE HOTEL」を台北市内に続々とオープンさせ、躍進中の福泰飯店集團(フォルテホテルグループ)が手がけた自信作。台湾鉄道の宜蘭駅、礁溪バスターミナルから徒歩約3分と立地は抜群。さらに観光路線バス「宜蘭勁好行」の礁溪線を利用すれば、フィトンチッドに癒されるハイキングコース「林美石磐步道」や「跑馬古道」、マイナスイオン溢れる滝「五峰旗瀑布」といった名所めぐりもラクラク。もちろん、市内の繁華街も徒歩で回れる便利な立地です。

ホテル名の「山形閣」は、宜蘭県の雪山山脈と中央山脈の稜線にちなんだもの。外観も山のイメージを取り入れたモダンかつ優美なデザインで、ひときわ目を引く佇まいです。そしてもうひとつ。なんと日本の山形県に由来しているそう。美人の湯をはじめとした豊かな温泉があり、農業が盛んで、山形にはさくらんぼ、宜蘭にはキンカンという、とびきりの名産がある……宜蘭と山形には共通点が多いことから縁がうまれ、フォルテホテルグループのCEO寥東漢氏は山形県の「やまがた特命観光・つや姫大使」にも就任。そうした経緯から、ホテル名に麗しき“山形”の名称を冠したといいます。

木の温もりを活かしたナチュラルテイストのインテリア


ホテルは12階あり、客室は7タイプ、全122室。自然を意識した内装で、全室にフローリングを採用。また、壁面にも木材を多用し、大地や稲穂などをイメージしたアースカラーでまとめています。そこに山、河、海、平野といった宜蘭らしいモチーフ、原住民の噶瑪蘭族(クヴァラン族)特有のバナナ繊維の織物を取り入れ、この土地のぬくもりを演出しています。

1トンの美人の湯に浸かる贅沢体験


どのタイプの部屋にも独立した大きなバスタブがあり、なんと1トンものお湯を溜めることができるのだそう。泉質は、美人の湯といわれる炭酸水素塩泉(重曹泉)。たっぷりのお湯を溜めたなら、ゆっくり浸かって、旅の疲れを癒しましょう。

ガラス窓に面したバスタブのある部屋では、間近には礁溪地区、その先には蘭陽平野、天気が良ければ東海岸の龜山島を望むことも。昼と夜とでは景色の趣が異なるので、朝風呂に入って、緑あふれる眺望も楽しんで。サウナ好きなら、2階にある大浴場へ。ヒノキのサウナルームで存分にリフレッシュして。

異国で出会う畳部屋。その素晴らしさを再認識


また、台湾ローカルに人気なのが、和室スペースがある「豪華雙人房」。実は、台湾には少数ながら畳屋さんが残っており(街で「塌塌米」の看板を見かけたら、それが畳屋さんです)、この部屋の畳は、宜蘭で三代続いている畳職人さんが手作業で仕上げたもの。新しい畳の爽やかな香りは、癒し効果満点。日本人ですら非日常のものになりつつある畳の部屋……もしかすると、私たちこそ、こういう機会に大いに利用すべきなのかもしれません。窓には障子、座卓と座布団が置かれていて、これが海外のホテルだと思うと、何だかほっこりしてしまいます。

もちろん、お子様連れの宿泊もOK。予約時に申し出れば、ベビーベッド、ベビーバス、哺乳瓶の消毒器を準備してもらえます。館内にはキッズスペースも完備。ママに優しい温泉リゾートホテルです。

抜群の開放感! パノラマビューのレストラン


最上階の景観レストラン「米澤廳」は、19卓での宴会が開けるほど広々としたスペース。窓からは蘭陽平野が一望でき、季節によって緑から金色へと変わる水田の彩りを楽しめます。風にそよぐ稲穂にこの先の豊かな実りを想像し、安堵を覚えるのは、私たちがお米を主食とする日本人だからでしょうか。

その日仕入れた食材で、一期一会の一皿を


シェフの陳興旺氏は、国際的ホテルで35年の経験を持つ大ベテラン。料理人の方々は自ら漁港に出向き、漁師と交渉して最良の魚介を仕入れ、その日のうちに調理。だから決まったメニューはありません。とれたての食材で作った、一期一会の創作料理……滋味あふれる旬の料理は、最高の贅沢といえるでしょう。また、山形との縁が深いことから、おそば、和牛といった日本食材も積極的に取り入れています。

また、1階には日本式ラーメン店があり、濃厚なスープ&歯ごたえある麺の豚骨ラーメンのほか、揚げ物や串焼きなどを提供しています。20時から23時半までは、深夜食堂兼居酒屋として営業。夜食をいただくもよし、お風呂上がりの一杯をこちらでいただくのもよし! 初めての郊外でも、駅近ホテルなら、迷う心配もなく安心。しかもオープンから間もないので、すべての施設がピッカピカ。宜蘭の人々の温かなおもてなしと礁溪の自然に触れる旅。日頃の緊張がゆったりとほぐれていくのを実感するはず。


◆礁溪山形閣溫泉飯店
住所:宜蘭縣礁溪郷中山路二段187號
電話:+886-3-987-2323  



情報提供元: 旅色プラス