東京国立近代美術館は、ギャラリー4で約90年前の日本観光が世界でブームになった当時のポスターなどを2月28日まで展示している。


鉄道や航路などの交通網の整備を背景に、第一次世界大戦後には世界的な海外旅行ブームの時代が到来した。シベリア鉄道との連絡による南満州鉄道の国際化やパナマ運河の完成によって、日本にも海外から観光客が押し寄せるようになった。日本政府は1930年に国際観光局を発足させ「観光立国」をめざして外客誘致キャンペーンを展開し、画家やデザイナーを動員し「美しい日本」を対外的にアピールした。こうした観光キャンペーンが功を奏し、また円安効果もあって1930年代中頃には外国人観光客は4万人を超え、その消費額は1億円を突破、観光産業は綿織物、生糸、人絹織物に次ぐ第4位の外貨獲得高を占める重要産業として大きく成長を遂げた。


この展覧会ではジャパン・ツーリスト・ビューロー(現、ジェイティービー)や国際観光局などの政府機関、また、日本郵船や大阪商船などの船会社が制作したポスター、グラフ誌、パンフレットなどを通じて、当時の日本の観光資源とそこから浮かび上がってくる日本のイメージを探る。


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情報提供元: Traicy