納車日がやってきた。「時間はどれくらいかかりますか?」と事前に電話で聞いたら、「1時間から1時間半くらいですね」と、関東マツダ・高田馬場店の営業担当、飯田雅人さんは答えた。初期設定を含め、説明することがいろいろあるらしい。30分くらいで済むだろうと思っていたので、「そんなにかかるんだ」とそのとき思ったが、実際には2時間以上かかった。ところどころで筆者が茶々を入れたせいなのは間違いない。


TEXT &PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)

約束の時間(夕暮れどきだった)に訪れた。それまでは奥の個室ブースに案内されたのに、この日は通りに面した窓際のテーブルに案内された。テーブルには宴席よろしく納車式の段取りを記したメニューが置いてあり、車検証など書類の確認に始まって、カギを受け取り、現車を確認して、取り扱いの説明を受け、受け取りの書類に署名し、最後は「お見送り」と書いてある。大きなガラス窓の向こうにあるウッドデッキにはポリメタルグレーメタリックのMAZDA3ファストバックが置いてあり、たぶん、いや、間違いなくこれから自分が受け取るクルマだ。すなわち、




最高の眺めである。

納車されるマイカーをソファに座って眺める。最高の眺めである。

ピアノブラックのBピラーにはまだ、白い養生フイルムが貼ってある。なんと初々しい。いろいろ省いてカギを受け取った(省きすぎ?)。いまどき当然だがリモコンキーである。「ご存じだと思いますが、実際にキーを出して使うことはほとんどありません。カバンに入れておくだけで大丈夫です」と、飯田さんは説明する。キーについては納車後にいろいろ起きるのだが、機会があったいずれ報告しよう。

マツダの「アドバンストキーレスエントリー&プッシュボタンスタートシステム」

マツダはリモコンキーを使ったシステムを「アドバンストキーレスエントリー&プッシュボタンスタートシステム」と呼んでいる。カバンの中も含めてキーを身につけておけば、ドアハンドルのタッチセンサーに触れるだけで運転席、または助手席側のドアを解錠または施錠することができる。解錠するときはドアハンドルを握るようにすればよく(ハンドルの内側にタッチセンサーがある)、施錠する際はハンドルの外側にある凹んだ部分に触れればいい。

当たり前だが、リモコンキーだから鍵がポケットに入っていれば(あるいは鞄に入っている)ドアノブを握るだけで
解錠する。やはり便利だ、
施錠は、ドアノブの凹んでいる部分に触れればいい。ドアノブの形状も美しい!

施錠する際はドアハンドルに触れる必要もない。あらかじめ設定しておけば、エリア離脱式のオートロック機能が働くため、ドアを閉じて3mほど離れると自動的に施錠される。施錠されたかどうかは非常点滅灯(ハザードランプ)の点滅とドアミラーの格納により確認することができる(そうなるよう設定しておいてくれたのは飯田さんだ)。職業柄、いろいろなクルマに乗る機会が多いので、こういう機能があることは知っていたし体験もしているが、自分のクルマとして付き合うのは初めてで、新鮮だ。それに、便利である。

「ドアロックの振る舞いを変更します」という文言がいい。振る舞い、です。

「まだあります」と飯田さんは言いながら、実践する。すべてのドアが施錠された状態でもキーを身につけていれば、リヤゲートの電磁式オープナーを操作し、リヤゲートだけ解錠することができる。買い物して荷物を載せるときや、ホテルをチェックアウトして荷物を載せるときなどに便利そうだ。いちいちキーを取り出して操作する必要がない。

シートの設定メモリーは2パターン。ヘッドアップディスプレイ、ドアミラーも連動する。

感心している間はない。初期設定が先だ。まずはシート。PROACTIVE Touring Selectionより上のグレード(は本革シート)には、運転席10Wayパワーシート&ドライビングポジションメモリー機能(シート位置/アクティブ・ドライビング・ディスプレイ/ドアミラー連動)が標準で装備されている。メモリーは2パターン設定が可能だ。

ポジションメモリースイッチはステアリングホイールの右側にある。機能させるには、パーキングブレーキがかかっていることが条件。背もたれの角度、座面の高さ、ステアリングの位置(チルト&テレスコピック機構付き)を調整し、ポジションが決まったら、「SET」→「1(または2)」の順に押せばメモリーは完了。正しく操作して記憶が完了すると、音が鳴って知らせてくれる。メモリーに失敗したときは、失敗した旨の音が鳴る。どちらもきれいな音すぎて、「あれ? この音はどっちだっけ?」と、ときどきわからなくなるのが難だ。

アクティブ・ドライビング・ディスプレイとは、いわゆるヘッドアップディスプレイのこと。
コンバイナー式でないのがいい。

アクティブ・ドライビング・ディスプレイとは、いわゆるヘッドアップディスプレイのことだ。高さ調整はマツダコネクト、すなわち、8.8インチのセンターディスプレイに設定画面を呼び出して行なう(明るさや表示内容の設定も可能)。このアクティブ・ドライビング・ディスプレイ、コンバイナー投影タイプではなくフロントガラス照射式なので見やすいし、スマートでとてもいい。MAZDA3の装備品については機会を改めてじっくり観察することにしよう。

Bluetooth設定でスマホに接続する。

手持ちのスマートフォンをBluetoothで接続できるよう登録するのも、大切な初期設定だ。飯田さんに任せればチャッチャと終わる。自宅を登録しておけば、ナビゲーションシステムで自宅を目的地設定する際に便利だ。これもお任せ。なんでもかんでもお任せだが、必要性を感じなければ、「結構です」と断っていい。設定する項目ごとに、「どうしますか?」と尋ねてくれるし、各機能のベネフィットを説明してくれる。こうした丁寧なやりとりがあるので、1時間や1時間半はゆうにかかるのだ(筆者は2時間以上費やしたが)。




初期設定はまだある。スマートフォン専用アプリの「MyMazda」だ。これについては次回説明しよう(つづく)。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 マツダMAZDA3 e-SKYACTIV-X搭載モデル 長期レポート | 購入編③納車日がやってきた!