老舗自動車雑誌の編集部員を経てフリーのモータージャーナリストとなった生方聡さんが選んだ「最強のお買い得車」は、マツダ・ロードスター、ルノー・メガーヌ R.S.、プジョー e-208。メガーヌR.S.はニュルブルクリンクでFF最速タイムを記録したホットハッチだが、デザインや使い勝手もハイレベルで、オールマイティに使える1台だ。




TEXT●生方聡(UBUKATA Satoshi)

1台目:マツダ・ロードスター|260万1500円-333万4100円

それまで遠い存在だったオープンカーを一気に身近なものにしてくれたのが、日本発のオープン2シータースポーツのユーノス ロードスター。手が届きやすい価格でオープンエアモータリングの爽快さと、FRスポーツの軽快な走りが楽しめる画期的なモデルだった。




2代目からはマツダ ロードスターと名前を変え、現在は4代目のNDが販売されているが、台数を稼げないオープン2シータースポーツを継続してつくり続けているマツダには感謝してもしきれないし、そのうえマニュアル仕様が全グレードで選べ、ベースモデルのSならたった260万1500円というのはうれしいかぎり。日本に住んでいて良かった!

写真はマツダ・ロードスターの特別仕様車「RS ホワイトリミテッドセレクション」。ブレンボ製ブレーキ、レイズ製アルミホイールなどを装備しており、価格は361万5700円。

こちらはベースモデ「S」のインテリア。260万1500円という価格は、内容を考えれば"たった"と表現するのが相応しい。

2台目:ルノー・メガーヌ ルノー スポール|464万円-504万円

2019年4月、ニュルブルクリンクでFF最速を記録したホットハッチがこのルノー・メガーヌ ルノー スポール(R.S.)だ。スポーツモデルにとって速いことは必須条件だが、このメガーヌ R.S.はさらに気持ちの良いドライビングをもたらす4WSテクノロジーが搭載され、コーナーを抜けるたびに走りの楽しさを実感できるのがうれしいところ。最高出力300psの2リッターターボもエキサイティングで、そのうえ他のクルマとは一線を画するモダンなデザインも所有する喜びを加速してくれる。これが464万円で手に入るというのは、コストパフォーマンスが高いどころか、バーゲンプライスといっても良いくらいだ。

ルノー・メガーヌ R.S.は300psの1.8Lターボを搭載。464万円の標準モデルのほか、よりハードなシャシーを持つ「トロフィー(EDC 504万円・MT 494万円)」もラインナップ。

1月のマイナーチェンジでアダプティブクルーズコントロール、衝突被害軽減ブレーキ(歩行者検知機能付き)などが加わった。

3台目:プジョー e-208|389万9000円-426万円

最近電気自動車に乗り始めて、いま一番気になるのがプジョー208のEVバージョンであるe-208だ。比較的余裕がありながら、過剰ではない50kWhの駆動用バッテリーを積むことで、たとえば同じAllure(アリュール)なら、ガソリンエンジン車の127万円高という価格を実現。さらに、CEV補助金や地方自治体のサポート、さらに減税などを考えると300万円程度で手に入るというのは大きな魅力だ。しかも、e-208は最新のプジョーデザインをまとった最先端の電気自動車であり、ランニングコストが安いことを考えると、電気自動車を検討している人にとっては見逃せないクルマといえるだろう。

ガソリンエンジン搭載モデルとデザインも荷室の広さも共通な、プジョー e-208。維持費も含めるとコストもガソリン車と同等で、「電気自動車=高い」というイメージも覆す。

e-208は50kWhのバッテリーを床下に搭載。航続距離は403km(JC08モード)を実現している。前輪を駆動するモーターの最高出力は136ps。

『プロが選ぶ最強のお買い得車』は毎日更新です!




予算に限りがある庶民にとって、車選びの際にこだわりたい要素が「コストパフォーマンス」。つまり、その車がお買い得かどうか、ということ。ただ安ければいいというわけではありません。ポイントは「値段と性能が釣り合っているか」。だから、価格が安い軽自動車だからコスパがいいとは限りませんし、1000万円以上のスーパーカーだってその価格に見合う機能や魅力があればお買い得と言えます。




というわけで、自動車評論家・業界関係者といった「クルマのプロ」たちに、コストパフォーマンスが高い「お買い得」な新車を3台ずつ、毎日選んでいただきます。明日の更新もお楽しみに。
情報提供元: MotorFan
記事名:「 【プロが選ぶ最強のお買い得車|ルノー・メガーヌ R.S.】エキサイティングなのにオールマイティに使えるFF最速ホットハッチ!