今春、ゼネラルモーターズ(GM)は、ホンダGM製アルティウムバッテリーを採用したホンダ向け次世代EV2車種を共同開発することに合意した、とのリリースを発表した。そして9月には、アルティウムドライブの概要が発表された。そこで今回は、このGMが自社で設計、開発、製造を行うという次世代EVドライブユニットに関する技術情報をお届けしよう。


TEXT:川島礼二郎(KAWASHIMA Reijiro)

アルティウムドライブはGMの次世代EV用パワートレイン

 GMの次世代EVはアルティウムドライブと呼ばれる5つの交換可能なドライブユニットと3つのモーターのファミリーによって駆動される予定である。アルティウムドライブはGMが完全な電気ラインナップに移行することを助け、パフォーマンス、規模、市場投入までのスピード、製造効率において、GMの以前のEVに比べて大きな利点を提供する。




 アルティウムドライブでは、電気モーターとシングルスピードトランスミッションを組み合わせて、アルティウムバッテリーセルにより生み出された電力により駆動される。このアルティウムドライブはモジュラーアーキテクチャの思想に基づいて、GM自身の手により設計と開発、製造が行われる。




 アルティウムドライブはスムーズなパフォーマンスが特徴である。モーターを正確にトルク制御することで、同等の内燃機関よりも応答性が高くなる。アルティウムドライブで使用されるモーターは、多様な車種において使用され、業界をリードするトルクと出力密度を発揮することが期待されている。




 自律運転・電気自動車プログラム担当副社長のケン・モリス氏は以下のように述べている。


「当社は過去に多くの著名な自動車メーカー向けにトランスミッションを製造してきました。モーター、トランスミッション、ドライブラインコンポーネント、およびシステムの製造は当社の最有力部門の一つです。内燃機関からEVに移行するにあたり、トランスミッション製造に関する専門知識を移行できるだけでなく、それを活用することで優位性を保てることが証明されるでしょう」

アルティウムドライブのメリット

 GMは同社が有する25年のEV開発の知見をアルティウムドライブに適用。巧みにコンポーネントを統合することで、より軽量かつ効率的な設計を実現した。たとえばパワーエレクトロニクスをドライブユニットアセンブリに統合することで、パワーエレクトロニクスの重量は同社の前世代EVと比較して約50%もの削減に成功。コストとパッケージングスペースを節約しつつ機能を25%向上させた。




 このパワーエレクトロニクスの統合は、同社が業界で初めて成功した(ほぼ)完全なワイヤレスバッテリー管理システムと同じく、将来のEVラインナップにおいてアルティウムドライブを拡張するのに役立つと考えられる。ドライブユニットのパワーと汎用性は、ピックアップトラックや高性能車といった高出力セグメントをフルEV化するのに役立つと同時に、EVのラインナップを将来にわたって拡充させる。

アルティウムドライブは前輪駆動・後輪駆動・全輪駆動に対応する

 アルティウムドライブファミリーは、高性能モデルとオフロードモデルとを含めて、前輪駆動、後輪駆動だけでなく、全輪駆動にも適用できる。




 発表されたのは5つのドライブユニット。全輪駆動アシスト・前輪駆動・後輪駆動・トラック用前輪駆動またはトラック用後輪駆動・トラック用全輪駆動である。それを構成するモーターは3種類。全輪駆動アシストモーター、一次前輪駆動モーター、一次前輪or後輪駆動モーター。3種類のモーターを単体または組み合わせて使用する。




 GMは次世代のEVと共にアルティウムドライブを開発し、専門知識を活用することで効率を向上させ、ドライブユニットとモーターを将来の車両に適合させて、設計と製造コストを節約するという。




 GMの次世代EVのパワートレインとなるアルティウムドライブは、未来のGMを担うことができるのだろうか? 興味深い続報が出たらお伝えしよう。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 【海外技術情報】GMが自社開発する電動パワートレイン・アルティウムドライブは3種のモーターで5タイプのドライブユニットを構成する