三菱自動車のスーパーハイトワゴン「ekスペース」がフルモデルチェンジを果たした。先代のeKスペース カスタムに変わって「eKクロス スペース」も登場。デリカD:5やeKクロスに通じる「ダイナミックシールド」と呼ばれるフロントマスクのデザインを採用し、個性が際立つアピアランスを得ている。もちろんスーパーハイト系のキモであるユーティリティも大幅に向上させた。

ダイナミックシールドが生み出す個性的アピアランス

 昨年のeKクロスに続き、スーパーハイトワゴンのeKスペースもフルモデルチェンジを受けた。




 最大のトピックは、これまでのeKスペース カスタムに代わる「eKクロス スペース」の登場だろう。デリカD:5で世間を驚かせ、eKクロスでカスタマーの心を掴んだ、あの「ダイナミックシールド」と呼ばれるデザインが採用されているのだ。

 ずらりと並べられた「ダイナミックシールド」デザイン採用した各モデル。左からデリカD:5、eKクロス スペース、そしてeKクロスだ。デザインがこなれてきたのと、我々が見慣れたこともあり、「どんどんカッコ良くなっている」とい思いを多くの人の抱いているのではないだろうか。完全に三菱のアイデンティティとして定着した感がある。




 ミニバンや軽自動車という、なにより実用性が第一に重んじられる───言い換えれば、コモディティ化が懸念されるカテゴリーにおいて、デザインという付加価値に重きを置いて開発された意義は大きい。

「ダイナミックシールド」が背高ワゴンスタイルにも見事にマッチするeKクロス スペース。多くのクルマ好きに「このデザインが欲しい」と思わせるスーパーハイト軽自動車なんて、このクルマが初めてかも知れない。リヤサイドウィンドウの下端ラインがキックアップしているのも特徴的で、アグレッシブなフロントマスクとのマッチングも見事だ。

 こちらはeKスペース。趣味やレジャーが目的ではなく、「子供の送り迎えや買い物のためにクルマが必要」という主婦層がメインターゲットで、「そんなにヤル気満々のデザインとか欲しくないんですけれど」というカスタマーのための選択肢だ。シンプルかつクリーンなマスクが与えられ、同じ車体構成ながらeKクロス スペースとは対照的なアピアランスを生み出している。

直列3気筒0.6Lターボエンジン。最高出力64ps、最大トルク100Nmを発生。
直列3気筒0.6L自然吸気エンジン。最高出力52ps、最大トルク60Nmを発生。


 エンジンは直列3気筒0.6Lで、ターボと自然吸気をラインナップ。前者は最高出力64psと最大トルク100Nm、後者は最高出力52psと最大トルク60Nmを発生する。両者ともに2.0psと40Nmを発生するモーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドとなる。




 トランスミッションはCVTで、それぞれ2WDと4WDが選択可能だ。




 上記パワートレインは、eKクロス スペース、eKスペースともに共通である。



おびただしい数の収納スペースは、もはやスーパーハイトワゴン系軽自動車では見慣れた風景かも知れないが、各ポケットやトレーのサイズや位置を適正化させることで利便性を大きく向上させている。
アウトドアでの険しい傾斜や立体駐車場の急なスロープで効果を発揮するヒルディセントコントロールを装備。ステアリング右下のスイッチ群の左下に起動ボタンがあり、4〜20km/hの範囲でコントロールする。


 先進安全支援装備の充実も目覚ましい。◎は昨年デビューしたeKクロス&eKワゴンからの進化ポイントだ。




【標準装備】


●衝突被害軽減ブレーキ(歩行者も検知)


●誤発進抑制機能(前方は障害物と歩行者を検知/後方は障害物を検知)


●車線逸脱警報


●車線逸脱防止支援機能


◎標識検知機能


◎ふらつき警報


◎先行車発進お知らせ


◎前方衝突予測警報




【オプション】


●アダプティブクルーズコントロール


●レーンキープアシスト


●マルチアラウンドモニター


●歩行者事故軽減ステアリング


◎アダプティブLEDヘッドライト

ユーティリティも大幅に向上

 もちろんスーパーハイト系に最も求められるユーティリティにも磨きが掛けられている。




 とりわけ注目すべきは下記の5点だ。




●後席シートスライド量:650mm(クラス最大)


●スライドドア開口幅:650mm(先代より95mm拡大)


●後席ニールーム:793mm(先代より81mm拡大)


●室内高:1400mm(室内での着替えが容易な高さを確保)


●荷室床面長:676mm(先代より208mm拡大)




 ボディサイズが厳密に定められている軽自動車において、先代よりも室内スペースを拡大することがどれだけ困難を極めるかは言うまでもない。







助手席のリクライニングのレバーは運転席から操作しやすい位置にある。リヤシートに座る子供に手が届きやすくするための配慮だ。
助手席の下には引き出し式の大きなトレーがある。これもドライバーから手が届きやすく、なおかつ人目に付かない場所なので利便性が高い。


助手席のシート背面には、数多くのポケットやテーブルが用意される。右下にはUSBポートも!
ハンスフリーオートスライドドアを採用。両手がふさがっていても荷物の出し入れが容易になる。


■eKクロス スペース


M(自然吸気+マイルドハイブリッド)


2WD:165万5500円


4WD:178万7500円


G(自然吸気+マイルドハイブリッド)


2WD:177万1000円


4WD:190万3000円


T(ターボ+マイルドハイブリッド)


2WD:185万9000円


4WD:199万1000円




■eKスペース


M(自然吸気+マイルドハイブリッド)


2WD:139万9200円


4WD:153万1200円


G(自然吸気+マイルドハイブリッド)


2WD:154万2200円


4WD:167万4200円


T(ターボ+マイルドハイブリッド)


2WD:163万5700円


4WD:176万7700円



eKクロス スペース T(4WD)


全長×全幅×全高:3395×1475×1800mm


ホイールベース:2495mm


車両重量:1030kg


エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ


排気量:659cc


ボア×ストローク:62.7×71.2mm


圧縮比:9.2


最高出力:47kw〈64ps〉/5600rpm


最大トルク:100Nm/2400-4000rpm


モーター最高出力:2.0kw〈2.7ps〉/1200rpm


モーター最大トルク:40Nm/100rpm


燃料タンク容量:27L


トランスミッション:CVT


駆動方式(エンジン・駆動輪):F・4WD


サスペンション形式:Ⓕマクファーソンストラット Ⓡトルクアーム式3リンク


ブレーキ:Ⓕベンチレーテッドディスク Ⓡドラム


乗車定員:4名


タイヤサイズ:165/55R15


WLTCモード燃費:16.4km/L


市街地モード燃費:15.2km/L


郊外モード燃費:17.2km/L


高速道路モード燃費:16.5km/L


車両価格:199万1000円



eKスペース G(2WD)


全長×全幅×全高:3395×1475×1780mm


ホイールベース:2495mm


車両重量:950kg


エンジン形式:直列3気筒DOHC


排気量:659cc


ボア×ストローク:62.7×71.2mm


圧縮比:12.0


最高出力:38kw〈52ps〉/6400rpm


最大トルク:60Nm/3600rpm


モーター最高出力:2.0kw〈2.7ps〉/1200rpm


モーター最大トルク:40Nm/100rpm


燃料タンク容量:27L


トランスミッション:CVT


駆動方式(エンジン・駆動輪):F・4WD


サスペンション形式:Ⓕマクファーソンストラット Ⓡトーションビーム


ブレーキ:Ⓕディスク Ⓡドラム


乗車定員:4名


タイヤサイズ:155/65R14


WLTCモード燃費:20.8km/L


市街地モード燃費:18.5km/L


郊外モード燃費:22.3km/L


高速道路モード燃費:21.0km/L


車両価格:154万2200円
情報提供元: MotorFan
記事名:「 三菱eKクロススペース & eKスペースがフルモデルチェンジ!「デリカ顔」が完全に定着!|話題のスーパーハイトワゴン軽自動車の価格とスペック