トヨタのコンパクトSUV、ライズが好調だ。月販目標4100台に対して、発売1ヵ月で約3万2000台の受注を獲得。12月26日時点での工場出荷時期目処として、注文してから3ヵ月程度と書かれている。スマッシュヒットと言っていい人気ぶりだ。その人気の理由は「コンパクトさ」。どのくらいコンパクトなのか、検証してみよう。

全長4m以下全幅1.7m以下というコンパクトさ

こちらは兄弟モデルのダイハツ・ロッキー

 人気の理由は「全長4m以下の5ナンバーサイズ(つまり全幅は1700mm以下)でありながら、SUVらしい力強いスタイル」だろう。


 ライズ(とダイハツ・ロッキー)はDNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)の第2弾モデルだ。エンジンは1.0ℓ直3ターボ、トランスミッションはダイハツが開発したD-CVTを使う。

室内空間もなかなか広々。これもヒットの理由だろう

 BセグのコンパクトSUVでありながら、4WD仕様も設定するのが、ライズのウリのひとつである。


 アウディQ2や国内発売されたばかりのVW T-CROSSなど各自動車メーカーが次に狙うマーケットがこのBセグ・コンパクトSUVだ。しかし、ルノー・キャプチャー、プジョー2008、アウディQ2、VW T-CROSSなど欧州勢はもう少しサイズも大きいし、基本的にAWDは設定せずFFのみだ。


 ということで、トヨタ・ライズ/ダイハツ・ロッキーは、いわば「手付かずのマーケット」に乗り込んだカタチになっている。




 ライズのコンパクトさがどのくらいなのか、ちょっと比べてみよう。まずは、これまでデビューしたばかりのVW T-CROSSだ。

トヨタ・ライズ 全長×全幅×全高:3995mm×1695mm×1620mm ホイールベース:2525mm

VW T-CROSS 全長×全幅×全高:4115mm×1760mm×1580mm ホイールベース:2550mm

 ではサイドビューを比べてみよう。

上がトヨタ・ライズ、下がVW T-CROSS。こうしてみるとプロポーションはずいぶん違う。ホイールベースはライズが2525mmなのに対してT-CROSSは2550mm。

同じく上がトヨタ・ライズ、下がVW T-CROSS。全幅はライズが1695mm、T-CROSSが1760mm

 同じBセグ・コンパクトSUV同士とはいえ、やはりずいぶんプロポーションは違う。とくにCピラーの処理は、T-CROSSがあくまでもVWファミリーであることを強く訴えるのに対して、ライズはラゲッジルームも広そうに見える処理をしている。




 SUVとはいえ、T-CROSSはFFのみ。コンパクトでAWDのSUVがほしいとなると、もうこれはライズ/ロッキーの独壇場と言える。




 強いていえば、そう、あのモデルが全長4m以下、AWDのSUVとして存在する。


 スズキ・ジムニーシエラだ。

濃いブルー(に色を変更した)がライズ、薄いブルーがT-CROSS

上がトヨタ・ライズ、下がスズキ・ジムニーシエラ。ジムニーシエラの前後オーバーハングの短さが際立っている

 コンパクトSUVでAWDとはいえ、まったくプロポーションが違う。サイズを見てみよう。




トヨタ・ライズ


全長×全幅×全高:3995mm×1695mm×1620mm


ホイールベース:2525mm


室内長×幅×高:1955mm×1420mm×1250mm






スズキ・ジムニー


全長×全幅×全高:3550mm×1645mm×1730mm


ホイールベース:2250mm


室内長×幅×高:1795mm×1300mm×1200mm

緑色(に色を変更した)がライズ、ブルーがジムニーシエラ(英国仕様)だ。

ジムニーシエラの全幅はライズの1695mmよりさらに狭い1645mm。しかもこれは軽のジムニーにオーバーフェンダーをつけたものだから、ボディだけ見たらもっと違う

 ともにコンパクトSUV・AWDだが、ジムニーシエラは、軽自動車のジムニーがベース。しかもフレームを持つパートタイムAWDだ。より荒野での走破性が求められるジムニーシエラには、それ相応のパッケージがある。ライズはFFベースの、いわゆるオンデマンドのAWDだ。


 エンジンは、


トヨタ:ライズ:1.0ℓ直3DOHCターボ:98ps/6000rpm 140Nm/2400-4000rpm


スズキ・ジムニーシエラ:1.5ℓ直4DOHC:102ps/6000rpm 130Nm/4000rpm




 エンジンの出力レベルとともに共通するのは、価格だ。




トヨタ・ライズ X(AWD・CVT): 191万8800円


スズキ・ジムニーシエラ JLスズキセーフティサポート装着車4AT:193万4900円




 というわけで、4m以下のコンパクトSUV、しかもAWDがいい、となれば、


燃費、居住性でトヨタ・ライズ/ダイハツ・ロッキー


圧倒的な走破性でスズキ・ジムニーシエラ


 ということになる。




 ライズの受注状況を見ると、「4m以下、5ナンバーサイズのSUV」の需要が思いの外高いということがわかる。そして、このデザイン、このパッケージング、この価格、ライズもジムニーシエラもヒットには理由があるということだ。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 トヨタ・ライズ/ダイハツ・ロッキー:コンパクトさ、そしてAWDもある! VW T-CROSS、スズキ・ジムニーシエラと比べてみる