ルノー・スポールが開発を手掛けたサスペンションや、後輪操舵システムの「4コントロール」など、さまざまな独自技術が盛り込まれている新型メガーヌ。その詳細をチェックしていこう。




TEXT●安藤 眞(ANDO Makoto)

ボディタイプは2種類

GT
スポーツ・ツアラーGT


新型メガーヌは5ドア・ハッチバックとステーションワゴンの2バリエーションを設定。写真を並べて見比べると、Bピラーより後方、リヤオーバーハングまでの長さや造形が異なるのが、よくわかる。

広い室内空間

ルノー・マルチセンスやアンビエントライトを採用したインテリアは、先進的な雰囲気を演出。後席のニースペースは216㎜と広く、開放的な居住性も実現されている。

M5M型エンジンは ジェネレーション2へ進化

「GT」には現行ルーテシアR.S.にも搭載されているM5M型を搭載。さまざまなアップデートが加えられ、ジェネレーション2と呼称されている。燃料系のハードウェアや制御が変更されたほか、吸気側VVTも新開発された。

M5M型1.6ℓ直4ターボエンジン

最高出力205㎰、最大トルクは280Nm(28.6㎏m)を発揮。ターボチャージャーには電動ウェイストゲートや専用電動ウォーターポンプが設けられ、緻密な過給圧コントロールと高耐久性を実現。

排気量:1618㏄


ボア×ストローク:79.7×81.1㎜


最高出力:151kW(205㎰)/6000rpm


最大トルク:280Nm(28.6㎏m)/2400rpm

H5F型1.2ℓ直4ターボエンジン

ルーテシアやカングーにも搭載されるH5F型エンジンは、最高出力を132㎰、最大トルクを205Nm(20.9㎏m)にまで向上。オーバーブースト機能を備え、瞬間的にトルクを増大させる。

排気量:1197㏄


ボア×ストローク:72.2×73.1㎜


最高出力:97kW(132㎰)/5500rpm


最大トルク:205Nm(20.9㎏m)/2000rpm

7速DCTを採用

従来の6速から7速へと1段増えたデュアルクラッチトランスミッションの“7速EDC”を採用。クラッチは乾式単板から湿式多板式に改良され、大トルクへの対応と耐久性の向上を実現した。

卓越したシャシー性能

サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット、リヤがトーションビームを採用。4コントロールを別にすれば、いたってオーソドックスだ。プラットフォームには日産と共用するCMFを採用している。

ルノー・スポールが開発

「GT」のサスペンション開発にはルノー・スポールが関与しており、快適性とスポーツ性能を高いレベルで両立。もちろんR.S.ドライブの制御にもルノー・スポール独自のノウハウが盛り込まれている。

GTの前後サスペンション



「GT」と「GT-Line」のサスペンションは形式と基本構造は共通。だが、細かな部分に違いがあり、ブレーキディスクも「GT」のほうがフロントφ320㎜、リヤφ290㎜と「GT-Line」より30㎜大径だ。

後輪操舵の4コントロールシステムを採用

「GT」には後輪操舵システムである4コントロールを採用。60㎞/h未満で走行しているときは後輪を外向きに、60㎞/h以上の場合は内向きに操舵。街中では取り回し性能を向上し、ワインディングでは安定した高速コーナリングを実現する。

60㎞/h未満で走行時(スポーツモードでは80㎞/h未満)
60㎞/h以上で走行時(スポーツモードでは80㎞/h以上)


4コントロールの電動アクチュエーター

トーションビーム中央にあるロッカーアームからタイロッドが左右のナックルへと伸びているリヤサスペンション。電動アクチュエーターがロッカーアームを操作することで後輪を操舵させる。

GTラインのリヤサスペンション

4コントロールを装備していない「GT-Line」のリヤサスペンションは、見た目もよりシンプル。三角形にプレスした一枚板のトーションビームを備え、内側に丸棒のスタビライザーも備える。

GTのロワリンクは鍛造製

「GT」はフロントのロワリンクに鍛造スチール、ナックルにアルミ合金を使用し、リヤのトレーリングアームは鋳造スチールを採用。ハイグリップタイヤに対応する強化策が見て取れる。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 ルノー・メガーヌGTのメカニズムを徹底解説!