これまで日立金属では、高性能ダイカスト金型用鋼DAC-MAGICを開発し、顧客とともにこれらの課題解決に努めてきた。同社独自の合金組成と組織制御を行うことで、高温強度を高めるだけでなく、被削性や耐応力腐食割れ性も改善させることに成功しており、多くの顧客に採用されている。一方で、アルミダイカスト製品の適用範囲のさらなる拡大に伴い、汎用鋼を用いた金型でも同様に高温強度と靭性を高めた金型用鋼へのニーズが高まっている。こうした要求に応えるために、次世代の標準ダイカスト金型用鋼「DAC-i」を開発した。
新たに開発した「DAC-i」は、一般的なJIS SKD61や同社汎用ダイカスト金型用鋼DACに比べ、高温強度と靭性に優れた汎用鋼。日立金属独自の合金組成や組織制御技術だけでなく、安来工場(島根県安来市)に新たに導入した1万トン級自由鍛造プレスにより、高特性を実現している。今後、量産体制を整え、2018年11月より販売を開始する。