■EA398 [8.0 W16]


シリンダー配列 W型16気筒


排気量 7993cc


内径×行程 86.0mm×86.0mm


圧縮比 10.0


最高出力 1103kW/6700rpm


最大トルク 1600Nm/2000-6000rpm


給気方式 ターボチャージャー


カム配置 DOHC


ブロック材 アルミ合金


吸気弁/排気弁数 2/2


バルブ駆動方式 ロッカーアーム


燃料噴射方式 PFI


VVT/VVL In-Ex/×

 2005年の登場時ですら空前絶後であったW型16気筒と1000psオーバーの最高出力は、登場以来10余年を経ても未だキャッチアップするフォロワーが現れていない超弩級エンジン。企画当初は直6×3のW18形式が企図されたが、3バンクしかもターボ過給にともなう吸排気レイアウトの難しさにこれを放棄。既存のVWエンジンであるW8を二重化するレイアウトに至った。




 90度位相クランクが180度ずれて互い違いに配置されるという例を見ない複雑さと生産量の少なさから、クランクシャフトは鍛造ブランクからの削り出し製法を採る。点火順序は1l-14r-9r-4l-7l-12r-15r-6l-13r-8l-3l-16r-11r-2l-5l-10r(気筒番号の後のrは右、lは左バンク)と、片バンクで2連続点火の後反対バンクに移るパターンとなる。

シリンダーブロックから、特徴的なシリンダー配列がわかる。これが両バンクあるわけだ。ライナーレス/溶射ボアコート構造をとる。(PHOTO:山上博也)

16気筒もの排気エネルギーを存分に生かすために、ターボチャージャーは片バンクに2基ずつ、クワドラプルターボの構造とした。このように写真を見ただけでもターボチャージャーが互いに熱を帯びてしまい、熱マネジメントに苦心したのが容易に想像できるだろう。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 世界一トリッキーなブガッティの16気筒エンジン──EA398 8.0 W16