同じ格好をしているけど、片方が製品然としているのに対して、片方はザラザラしているのがわかる。3Dプリンタでつくったものでもなさそうだ。商品説明には「繊維」と書いてある。お話を担当者に聞いてみた。

 見るからに軽そうな部品が、いかにも従来品という品物とともに飾られている。しかし形状が一部異なるからフェアじゃないんじゃないの、などと思いながら持ち上げると案の定、というより思ったよりもずいぶん軽い。




 従来品はPP(ポリプロピレン)製。フィラーの類は使っていなくて、樹脂のみの構造。対して開発品は繊維でできているという。繊維をフィラーとして何かしらのバインダを混ぜる、いわゆるGFRPのような構造なのかと思ったら、そうではないと担当者はおっしゃる。「繊維を熱成形しているんです」というので、どうやっているんですか、どんな繊維なんですか、と訊いたが「参考出品なので」ということで教えてはもらえなかった。残念。



 熱成形しているということで、耐熱性には問題がなさそう。軽さについては先述のとおり。剛性の確保については、繊維部分のつぶし方でチューニングできるのに加え、繊維だけに形状の工夫を凝らすことも可能だ。さらにもうひとつ通気効果というのも挙げられ、空気を流したときに繊維自身が振動して、音のエネルギーを熱に変換し消音するという。




 形状が違うからフェアじゃないというのは、従来品には備わるレゾネータが開発品では不要になったから。ここでも加えて、軽量化に寄与していたわけである。

奥が従来品、手前が開発品。レゾネータの有無が特徴。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 繊維でダクトをつくるとどうなるか [人とくるまのテクノロジー展2018横浜]