ロービームでは路面に線や記号、数字などを照射することでドライバーにナビ情報、レーンガイドアシスト、速度表示などを表示する。ヘッドライトを使って路面描画することで、ドライバーと歩行者のコミュニケーションが可能になる。
ハイビームでは、照射パターンを高解像度化して視認性を同等に保ちながら対向車・先行車のドライバーの幻惑を防止する。
注目したいのが、「カメラモニターシステム」だ。従来のルームミラー(リヤビューミラー)、ドアミラー(サイドビューミラー)をカメラとディスプレイに置き換えた次世代の後方視認システムだ。
ルームミラー置換えカメラモニターシステム(クラス1)は、すでに市販車にも採用が進んでいるデバイスだ。今回市光工業が出展した新型プロトタイプは、液晶シャッターでモニターモードとミラーモード(通常のミラーと同様)を切り替える。この液晶シャッターは、後方からのヘッドランプの光がミラーに入り込んだ際に、自動的にまぶしさを軽減する自動防眩機能も備えている。
ドアミラー置き換えカメラモニターシステム(クラス2)は、カメラの小型化により空力性能、視界の改善、デザイン性の向上を図った。また、画像解析によって周辺状況を検出し、車線変更しようとするドライバーに対して必要に応じて注意喚起を行なったり、走行シーンに合わせて映像の画角を変化させることができる。これは現在のミラーではできない機能である。
展示してあったプロトタイプは、左側は従来型ミラーとカメラを組み合わせたハイブリッドタイプで、右側がカメラのみとなっていた。ハイブリッドタイプは、法規がまだ改定されていない中国市場などに向けたものだ。