最高出力585ps/最大トルク700Nm、最高速度318km/hのスーパースポーツモデル、AMG GT R。サーキットで真価を発揮するギミックを満載したAMG GT Rで箱根ターンパイクを走った。

GENROQ編集部からAMG GT Rの配車を頼まれた。1/26発売号の特集『GOTY -Genroq Of The Year-』で2017年の話題車を集めて取材するらしいが人手が足りていないため。前日の夕方に品川のメルセデス・ベンツ日本で広報車を借り出し、翌日朝に箱根のターンパイクまで自走でお届けするのがミッション。


てなわけで所属するMFiの編集長にその旨伝えると「じゃあ、AMG GT RのインプレッションをモーターファンWebにのっけてね」と。


いやいや、AMG GTの“R”ですよ? そんじょそこらのスポーツカーじゃなくて、ほとんどレーシングカー。ごひゃくはちじゅうご馬力のななひゃくNmですよ? にせんさんびゃくまん円以上するクルマですよ? とても公道走っただけで語れるクルマじゃないですよ? 「ボクはねー、2kmしか乗れなくてもインプレッションできるから。フンフン」と自慢気に語るMFi編集長。距離や時間の問題じゃないんだよなー。クルマのインプレってそのクルマに相応しい環境でやらなきゃ意味ないんじゃね? そりゃあ理屈こねりゃ何だって語れるけどさー。というココロの声を押し殺し「了解っす」と応じる。会社員だからね。上司の意向はゼッタイ。だからココまでAMG GT Rに興味があって読んだヒトには申し訳ないけど、この先有意義な情報はイッサイ無い。AMG GT Rの購入を真剣に検討しているヒトは速やかにブラウザバック。素直にモータージャーナリストのレポートを探すべし。オススメはGENROQ(ダイレクトマーケティング)。ヒマでヒマでヒマで、ヒマという字がゲシュタルト崩壊しているヒトにもオススメしない。写真も撮る時間なくてちょっとしかないし、これはただのWebコンテンツ嵩増し記事だから。タイトル詐欺でアクセス数を稼いだらもう目的は達成しているの。だからレッツ・ブラウザバック!

ACC(ディスタンスパイロット・ディストロニック)標準装備。ラクチン
センターコンソールに生えているトラクションコントロールの調整ノブ


さて。品川のメルセデス・ベンツ日本からAMG GT Rを引き上げる際、配車係のオニーチャンは「パワーあるからね、ウエット路面でイキんなよ。簡単に横向くから。オメーごときじゃコントロールできねーから」と、被害妄想的にココロの声を読んでから夜の湾岸線に乗り入れる。本日も安定の渋滞、ノロノロ走行。全然アクセル開けられない。AMG GT Rのようなスーパースポーツで渋滞はさぞかしストレス爆上げだろーと思いきや奥さん! AMG GT Rはメルセデスの最新モデル、何とディスタンスパイロット・ディストロニック、平たく言えばACC(アダプティブ・クルーズコントロール)が付いてる。標準装備だって。フツー、いらんでしょ、この手のクルマには。でも付いてるとこんな時便利。無いよりはあったほうがイイね、ラクチン、ラクチン。余裕が出てきたのでシフトモードをセンターコンソールのダイヤルでかちゃかちゃいじる。C(コンフォート)は平和そのもの、何もおきない。S(スポーツ)にしたら少しエキゾーストノートが大きくなって、S+(スポーツプラス)ではシフトのアップダウンでブリッピング。やかましい。面白いけど。調子に乗ってRACE(サーキットモードね)に入れたらACCが解除されちゃった。当たり前か。そんでもってACCが解除されたAMG GT Rは「人間不信感」がバリバリ。ちょっと前車との車間が縮まるとメーター内のワーニングランプがピカピカ。わかってるって!と無視していたら、いきなりシートベルトがきゅっと締まって自動ブレーキが利きやがんの! いやいや、この程度で作動しちゃうの? ドライバーを信じていないにもホドがあるんじゃね? とブツブツ言いながら約40kmのナイトドライブは終了。

アストンマーティンDB11とツーショット。絵になります

さあ、箱根ターンパイクまでいきますかね。駐車場を出る時、ハンドルをいっぱい切りながら動き出すとフロントタイヤがゴリゴリして不快。ミシュランのパイロットスポーツカップ2だっけ? 元々が浅溝だから摩耗具合がわからん。得てしてスーパースポーツ系は車種に限らずこんなふうにゴリゴリするパターンが多いけど。首都高から東名高速はずっと渋滞でACCが大活躍。やっぱり必要だなーACC。今後、オートパイロットのクルマが増えてくるから尚更あったほうが良いかも。




小田原厚木道路に入ってやっと交通量が減ったのですこーしアクセルを開けてみた。なにやらAMG GT Rにはアクティブ・エアロダイナミクス・システムという、フロントバンパーに備わってダウンフォースマシマシにする装置がついているらしい。80km/hで作動するとか。うん、わからん。ただでさえでっかいリヤウイングスポイラーが付いてて高速走行は安定してるから、どこからどこまでがアクティブなにがしの効果か切り分けられない。当然ながらフツーのクルマ(最近乗る機会の多い国産の社用車)に比べれば格段に路面追従が良くてヒタっとしてるし、レーンチェンジも機敏で気持ちいいのは確か。でもポテンシャルの1000分の一も発揮できない。これくらいのスポーツマインドと他人への優越感をにせんさんびゃくまん円で買うのかーと、ヒガミ満載で流していたら箱根ターンパイクに着きましたよ、っと。

GENROQ副編集長の隣に乗る。元WRCドライバーの運転は強烈!

料金所を出たらとりあえず全開でしょ! ……いやあ、危ないわ、コレ。もうね、いくらでも力が出てくるの。もちろん限界なんて試してないよ? でも底が知れないのはなんとなく乗ってりゃわかるもんだ。ムリムリ。安全運転に徹しないと恐ろしいことになる。でも集合時間にすこーし遅れそうなんだよね、ってことでちょっとペースを上げて大観山に向かって上っていくと、何だかタイヤが左右にガクガク振られる感じ。コエー! 荒れた路面のアンジュレーションに敏感すぎね? やっぱりサーキットを走るべきクルマだよなー。シロートはおとなしく雰囲気だけ味わっとけってことか。あと書き忘れてたことはあるかな。そうそう、シートはむちゃくちゃイイ。ピッタリとケツが収まって塩梅サイコー。着座位置が低いからスピード感は速く感じるし実際にサーキット走行では大きなメリットになるはず。前方は見切りが悪く、後方視界も狭いけどスーパースポーツはそんなもんだ。




実用面を心配しそうだけど、ディスタンスパイロット・ディストロニックやら自動ブレーキやらセンサーてんこ盛りだから下手な人間の目より安心、安心。繰り返すようだけど動力パフォーマンスはわからん。公道で評価すべきじゃない。でもただひとつ。意志のままに車体がダイレクトに反応するという、スポーツカーらしさは濃厚だから乗っていて楽しいのは間違いないし、クルマに求めるものが実用面よりもちょっとだけ刺激のほうに傾いていて、なおかつサーキットとか走るんなら良い選択でしょ。まあ、現代のスーパースポーツ系モデルは総じてそうだけど。AMG GT Rの本性を知りたくなったら、1/26発売のGENROQを読むといいよ(ダイレクトマーケティング)。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 2300万円のAMG GT Rに乗ってみた!