1975年から現在まで続く超ロングセラーモデル、ゴールドウィングの新型モデルがアメリカ市場に投入される。さらなる進化を遂げたDCT(デュアルクラッチトランスミッション)や、新採用のダブルウィッシュボーンサスペンションなど、見どころはじつに多い。(REPORT:近田 茂)

ホンダ・ゴールドウィングの開発陣


着実に進化を果遂げてきたロングセラーモデル

先の東京モーターショーで国内初披露を果たしたゴールドウィング。ホンダブースでは独自のスペースに同車とゴールドウィングツアーが、そして透明なショーケースに入れられた新F6パワーユニットが展示され、それらにしばし目を奪われる観客はとても多かった。


改めて説明するまでもなく、同モデルはGL1000から続くホンダのフラッグシップ。初代モデルは1975年デビューだから実に42年もの間「The King」と呼ばれ、プレミアムクルーザーの頂点に君臨し続けている。最近またライバルの参入が見られるが、国内4 メーカー揃い踏みだったかつて、ホンダを除く3 社はこのクラスから撤退。主要マーケットのアメリカでも独壇場であった。


アメリカではリタイヤ後にインターステーツのロングツーリングを楽しむ老夫婦がいる。そんなシーンにおいて、ゴールドウィングは成功者の証として特別なステータスを誇れる象徴的な存在でもあると言う。豊かで快適な大型バイクとしての機能的魅力はもとより、そこに伴い育まれてきた立派な商品力は格別の物があるわけだ。

販売台数がもの語る品質の高さ

ホンダ・ゴールドウィング シリーズのこれまでの累計販売台数は79万5000台に及びアメリカを始め世界70カ国にリリース。フェアリングやリヤトランクまで全てがインテグレーテッドデザインされた堂々たるフォルムは同カテゴリーを代表するスタイルとして定着。あくまで滑らかでトルキーな出力特性を誇るフラット6の1.8Lエンジンは、他に例のないゴージャスな乗り味を遺憾なく発揮。オーナーが感じられる満足度は極めて高く、多くのバイクフリーク達からは、憧れの眼差しが向けられるのも頷けるわけだ。




そんな次期ゴールドウィング、国内発売は未定ながら最新USA 仕様の技術発表会が開催された。全てが新しいことは写真からもおわかりだろうが、何といってもドラスティックな変更点はふたつ。第三世代DCT(7 速) 付きも用意された新世代F6ユニットの搭載。ちなみにMT仕様は6 速化された。そして興味深いのがフロントに採用されたダブルウィッシュボーン式サスペンションだ。


立派な外観デザインは、よりモダンな雰囲気になっているが、全体にスマートな印象がとても新鮮。少しコンパクトにも感じられる。ホイールベースこそ5mm 長い1695mmが確保されているが、全長はリヤトランクのリファインで55mm短縮。そして驚くべきは車両重量がなんと「41㎏」も軽量化されていた。試乗機会が与えられれば、直ちにレポートするが、軽快な身のこなしが期待できそうだ。

贅沢を尽くした装備面

その他スマートキーの採用は、それを身につけていればイグニッション操作やハンドルロック、リヤトランク等の開閉も可能。タイヤ空気圧モニターやスマホと連携できるインフォテイメントシステムも装備。ここでの詳細解説は割愛するが、すべてにおいて時代を一新する進化を果たしているのが印象深い。何よりも従来のテレスコピックフォークより、作動特性と剛性面で優れるダブルウィッシュボーンサスペンションが、いかなる乗り味と操縦性をもたらしてくれるのか、興味津々。国内デビューが待ち遠しい。





ホンダ・ゴールドウィング
ホンダ・ゴールドウィング




■主要諸元■


ゴールドウィング ※【】内はゴールドウィングDCT


・エンジン種類:水冷4ストロークOHC(ユニカム)水平対向6気筒


・総排気量(cm3):1833


・内径×行程(mm):73.0×73.0


・圧縮比:10.5


・点火方式:フルトランジスタ式バッテリー点火


・始動方式:セルフ式


・変速機形式:常時噛合式6段リターン【電子式7段変速(DCT)】


・クラッチ形式:湿式多板ダイヤフラムスプリング式


・懸架方式:前 リンク式/後 スイングアーム式(プロリンク、プロアーム)


・ブレーキ形式:前 油圧式ダブルディスイク/後 油圧式ディッスク


・タイヤサイズ:前 130/70R18M/C 63H/後 200/55R16M/C 77H


・キャスター角:30°30’


・トレール量(mm):109


・全長(mm):2475


・全幅(mm):925【905】


・全高(mm):1340(スクリーン最上位置1445)


・シート高(mm):745


・最低地上高(mm):130


・軸距(mm):1695


・燃料タンク容量(L):21


・車量重量(kg):357【363】
■主要諸元■


ゴールドウィング Tour 


※【】内はゴールドウィング TourDCT


※[]内はゴールドウィング Tour Airbag DCT


・エンジン種類:水冷4ストロークOHC(ユニカム)水平対向6気筒


・総排気量(cm3):1833


・内径×行程(mm):73.0×73.0


・圧縮比:10.5


・点火方式:フルトランジスタ式バッテリー点火


・始動方式:セルフ式


・変速機形式:常時噛合式6段リターン【電子式7段変速(DCT)】[電子式7段変速(DCT)]


・クラッチ形式:湿式多板ダイヤフラムスプリング式


・懸架方式:前 リンク式/後 スイングアーム式(プロリンク、プロアーム)


・ブレーキ形式:前 油圧式ダブルディスイク/後 油圧式ディッスク


・タイヤサイズ:前 130/70R18M/C 63H/後 200/55R16M/C 77H


・キャスター角:30°30’


・トレール量(mm):109


・全長(mm):2575


・全幅(mm):925【905】[905]


・全高(mm):1430(スクリーン最上位置1555)


・シート高(mm):745


・最低地上高(mm):130


・軸距(mm):1695


・燃料タンク容量(L):21


・車量重量(kg):378【378】[382]
情報提供元: MotorFan
記事名:「 スゴイのはエンジン? 足周り? 次期ゴールドウィングの全容解説【ホンダ】