自動運転技術の段階的な推進化、そしてスポーツカーに対するピュアな想い。アウディのプレスカンファレンスは今後の希望に満ちたものだった。

アウディの東京モーターショー2017のブースは極めてモダンで先進的だ。新型A8を400本以上もの3D LEDで取り囲むなど、アウディブランドらしい先進感とプレミアム感に満ちている。この空間デザインは日本オリジナルで造ったものだという。




さて、肝心のプレスカンファレンスだが、アウディジャパン代表取締役社長の斎藤 徹氏はアウディが推し進める自動運転をテーマに語った。巷では、やれレベル3だ、やれレベル4まで進んだ! など自動運転技術の段階がもっぱら話題の中心となっているが、斎藤氏によるとアウディはそれ自体を最重要事項とは捉えていないという。レベルよりも自動運転技術がもたらすユーザーメリットこそが、最も大事なものだと。




例えば都市生活者において、自動運転技術が進めば、移動時間に仕事や趣味などに費やす時間が捻出でき、時間を有意義に使えるようになる。それこそ、自動運転は“自由”を生み出す可能性があるのだ。




アウディは自動運転技術は段階的に進歩し、それぞれの国の法規に合わせて人々が享受できる時代が来るのだと考えているという。来年発売の新型A8に搭載されるAIトラフィックジャムパイロット機能はレベル3を実現しており、60km/h以下の低速で交通が流れているときにドライバーに代わってステアリングやブレーキ、加速・発進まですべての操作を自動で行ってくれる。




そして今回の目玉であるエレーヌ・コンセプトは、高速道路で130km/h以下での完全自律走行を可能としたEVモデルだ。こちらはレベル4を実現している。




発売間近のA8やエレーヌコンセプトは、まさに冒頭で斎藤代表取締役が語った安全移動しつつ、時間からの解放を体現するモデルたちといえるだろう。




自動運転化を推進する一方で、アウディはクルマの持つ根源的な楽しさ=スポーツカーの精神も忘れてはいない。その証拠として今季よりフォーミュラEにファクトリーチームとして参戦している。また、アウディスポーツが制作するハイパフォーマンスカー群もアウディのスポーツカーに対する熱意の象徴だろう。




自動運転とスポーツカーへの熱き想い。非常に“ホット”なプレスカンファレンスであった。

最大500kmの航続距離を実現

Elane concept

4月の上海モーターショーで披露された「e-トロン・スポーツバック・コンセプト」の進化形・電気自動車。アウディらしく3つのモーターを用いたフル電動のクワトロシステムを採用。床下に95kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載することで、一充電あたり最大500kmを超える航続距離を実現したという。




また新型A8に採用されるAIトラフィックジャムパイロット機能を拡張した、高速道路で車線変更などの運転操作を自律的に行う「AIハイウェイパイロット」というより高度な自動運転システムを備える。

発売決定の次世代SUV

Q8 sport concept

次世代のプレミアムSUVとして導入を予定しているコンセプトモデル。ボディサイズは全長5.02m、全幅2.05m、ホイールベース3mの大柄なボディを採用する。




パワートレインは2つのターボチャージャーを備える3L V6TFSIエンジンにマイルドハイブリッドシステムを組み合わせる。電動コンプレッサーを採用したことで、低回転からレスポンスの良い加速を実現したという。最高出力は331kW(450ps)。

レベル3の自動運転技術を持つ

新型A8/A8L

4代目へと進化を果たしたアウディのフラッグシップサルーン。剛性の高いアルミとカーボン、鉄を組み合わせたコンポジットボディを採用。ボディサイズは全長5172mm(ロングボディは5300mm)と先代よりも大柄となった。




パワートレインはガソリンとディーゼルが用意されるが日本には3L V6と4L V8が導入されるだろう。世界初のレベル3の自動運転システムが採用されているが、こちらは2018年以降、法的条件が整った国より適用予定。

超高性能スポーツワゴン

RS4アバント

アウディスポーツが開発した高性能スポーツワゴン。先代のRS4アバントを170Nm上回る460ps/600Nmの2.9L V6TFSIバイターボエンジンを搭載。




組み合わせられるトランスミッションは8速ティプトロニックで、駆動方式はもちろんフルタイム4WDのクワトロとなる。 0→100kmh加速は4.1秒、最高速度280km/hを誇る俊足の持ち主だ。



情報提供元: MotorFan
記事名:「 【東京モーターショー速報】アウディ、人間を“自由”にする自動運転化に邁進