自動車雑誌に限らず、あらゆる雑誌の発行部数が減少の一途をたどっていることは、今更、語るまでもないと思います。自動車雑誌ではありませんが2つの編集部に在籍した身として、今回は自動車雑誌の現状と、進んで欲しい未来を語ってみたいと思います。


止められない自動車雑誌の発行部数の減少



一般社団法人「日本雑誌協会」にて「印刷証明付き発行部数」が公表されている自動車雑誌は、講談社の「ベストカー」と交通タイムス社の「CARトップ」の2誌(※著作権の関係上画像にモザイクをかけております)のみになります。2008年7~9月に発行された「ベストカー」1号あたりの平均発行部数は307,000部、「CARトップ」は206,350部。昨年(2018年)7~9月に発行された「ベストカー」1号あたりの平均発行部数は224,500部、「CARトップ」は125,077部でした。この10年で「ベストカー」はおよそ27パーセントの発行部数減少、「CARトップ」はおよそ40パーセントも減少しています。程度の差はあれ、他誌も同様なのではないでしょうか。


一般社団法人 日本雑誌協会

https://www.j-magazine.or.jp/


雑誌の発行部数低下の原因は、これまで読書に費やされていた時間がSNSやソーシャルゲームといった、より手軽な娯楽に奪われたこと。出版業界の構造自体が時代にそぐわなくなったことなど、いろいろと要因があるのだと思います。しかしインターネットの普及が一番大きいことは疑いようがありません。


かつて自動車に関わる情報の通知や伝達は雑誌が担っていました。新車の発表会やイベントの報告、自動車競技のリザルトなど、発表から各雑誌のスケジュールに沿った翌号か、タイミングがあわなければ翌々号にて掲載されます。古い情報が欲しければ、収録されているバックナンバーを探して取り寄せる必要がありました。しかし現在では自動車WebメディアやSNSにて最新の情報が発表と同時に掲載され、ユーザーも熱量の高いうちに入手できます。古い情報も検索すれば楽々、入手できます。フットワークも手軽さも雑誌はインターネットに遠く及ばず、情報を求めるユーザーが離れてしまったのも至極当然の流れでしょう。


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情報提供元: CL
記事名:「 自動車雑誌の未来は?発行部数の減少を食い止めるのに必要なこと