台風7号は、15日夜にかけて近畿地方を北上。依然、自転車並みと動きが遅いため、大雨や暴風の影響が長引くおそれ。近畿や東海、中国地方を中心に大雨による土砂災害や河川の増水・氾濫、近畿では暴風や高潮にも厳重な警戒が必要です。また台風から離れた所でも局地的に雨雲が発達し、線状降水帯発生の恐れ。近畿・東海では15日夜にかけて、四国では15日午後にかけて線状降水帯が発生し大雨の危険度が急激に高まる可能性があるため引き続き警戒が必要です。

●台風 自転車並みの速度で北上 影響長引く

きょう15日午前5時前に和歌山県潮岬付近に上陸した台風7号。午前11時現在、淡路市付近にあって、近畿地方の広い範囲と、四国や東海の一部を風速25メートル以上の暴風域に巻き込みながら北上しています。このあと、時速15キロと自転車並みの速度で近畿地方を北上し、15日夜遅くに日本海に抜ける見込みです。その後は、日本海をスピードアップしながら北上、18日に北海道の北で温帯低気圧に変わる見込みです。

紀伊半島周辺では台風の上陸前から断続的に発達した雨雲がかかり、雨量が多くなっています。午前11時までの24時間降水量の日最大値は、三重県大台町(宮川)580.5ミリ、和歌山県の那智勝浦町(色川)521.0ミリと、500ミリを超える大雨を観測しました。これは平年8月ひと月分(色川の8月平年雨量:429.0ミリ)を大きく超えるほどの大雨です。

岡山県鏡野町上齋原(アメダス表記:恩原)では280.5ミリと、8月1位の値を更新しました。

また、台風から離れている関東地方でも、局地的に1時間に30ミリ以上の激しい雨が降っています。

●同じような場所で大雨続く 線状降水帯発生のおそれも

東日本や西日本では、これまでの総雨量が平年の8月の雨量を超える記録的な大雨となっている所があります。引き続き、台風本体の雨雲がかかる東海、近畿、中国地方では、あす正午までの24時間に、多い所で250ミリの雨が予想されています。台風から離れた地域でも、台風周辺の湿った空気が流れ込むため局地的な激しい雨や非常に激しい雨に警戒が必要です。

台風が日本海にぬけたあとも、東海地方を中心に南からの湿った空気が入り、17日にかけて更に雨量が増える見込みです。

線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。
土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。また、落雷や竜巻などの激しい突風に注意してください。発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。

●暴風・高波に警戒

東日本から西日本では、15日は非常に強い風や猛烈な風が吹いて、大しけとなるでしょう。

15日に予想される最大瞬間風速は、近畿地方で40メートルと、走行中のトラックが横転するレベルの暴風が予想されています。

また、東日本や西日本の太平洋側では、ウネリを伴った高波に警戒が必要です。台風の影響で、東日本や西日本では16日にかけて、潮位が高くなる所があるでしょう。近畿地方では、高潮に厳重に警戒してください。

情報提供元: tenki.jp日直予報士