ソフトバンク対日本ハム 勝利投手となった石川は笑顔でファンに手を振る(撮影・梅根麻紀)

<ソフトバンク3-1日本ハム>◇8日◇みずほペイペイドーム

ソフトバンクが2位日本ハムとの直接対決3連戦で3連勝を飾った。約1カ月ぶりの先発登板だった石川柊太投手(32)が6回1失点の好投で2勝目。貯金「13」は今季最多、2位チームと5・5ゲーム差は今季最大となった。さらにチームは日本ハム相手に通算999勝目。パ・リーグ6球団の各カードで初の1000勝に王手をかけた。

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4回は7球、5回は9球、6回は6球。石川が3イニング9打者をわずか22球で抑えた。「初回に点は取られましたけど、変に気負うことなく。いい球を投げるということに集中できたので良かったです」。そのテンポの速さは石川本来の姿。6回3安打1失点で2勝目を手にした。

西武今井からアドバイスを受けたスライダーも試投した。「4~5球投げました。どれかは秘密です。いいじゃないですか。今井君のスライダー」。4月27日~29日の本拠地3連戦で教わったという。「より磨ければ武器になるかな」。石川には伝家の宝刀パワーカーブがあるが、さらに武器を増やしていくつもりだ。倉野1軍投手コーチも「いい曲がりをしていました。どんどんチャレンジしたらいいと思います」と太鼓判を押した。日程やブルペン事情で約1カ月ぶりの先発登板だったが、次回も先発起用が決まった。

今年でプロ11年目、33歳を迎える。かつてベテラン和田との会話で「歳を取ってくると…」という話になった。年齢が増すごとにパフォーマンスを発揮するための準備力が問われる。2人で「やることが増えますね」と苦笑いした。そこで石川が優先順位を上げたことの1つが「呼吸」。正しい深呼吸を学び、骨盤や自律神経を整えて真のリラックスを求めたことがある。「今まではがむしゃらにやってきましたけど、こればっかりは」。投手陣の柱としての自覚は十分に持っている。

この日の勝利でソフトバンクが金字塔に王手をかけた。日本ハム戦で通算999勝。パ・リーグ6球団で各対戦カードの勝ち星が1000勝に到達したチームはまだない。次の日本ハム戦は交流戦後の6月末。今季中の達成は間違いなさそうだ。

今季3度目の4連勝、貯金13は今季最多、2位チームと5・5ゲーム差は今季最大となった。小久保監督が「交流戦前のポイントになりそうな気がする」と話していた西武、日本ハムとの6連戦を4勝2敗。指揮官は「想定以上。僕の中ではこの6連戦は結構厳しい戦いになるという覚悟できた。貯金が増えるとは思ってなかったです」と素直に喜んだ。さあ、このまま独走する。【只松憲】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ソフトバンク】石川柊太、西武今井からアドバイス受け、磨いた武器で6回1失点「集中できた」