1―1で迎えた延長十一回。2死二塁の場面で、日本ハムの谷内に打席が回った。「自分で決めるとかではない。何とか後ろにつないで、最終的に勝てるように」。堅守が売りの31歳らしい心構えだった。  中日のロドリゲスの154キロを捉えた。打球は前進守備を敷いていた中堅手の頭を越え、プロ10年目で初のサヨナラ打に。「そういう場面で打席に行くこともあまりない」。代打を送られる可能性もあった中で任され、意気に感じた。  昨季は自己最多の106試合に出場したが、多くが守備固め。今季は横一線からの競争を促す新庄監督が就任し、先発での出番も増えている。この日は途中出場だったが、監督は「これをきっかけにレギュラーを取りにいってほしい」と笑顔だった。  ビッグボスが言う「一瞬のチャンス」をつかんだが、本人は「おごらずに、足元をしっかり見つめ直してやりたい」。既に視線を先へ向けた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕延長11回、サヨナラの適時二塁打を放つ日本ハムの谷内=10日、札幌ドーム
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 谷内、初の劇的一打=10年目伏兵が決める―プロ野球・日本ハム