(画像=のむら産業株式会社)
清川 悦男(きよかわ えつお)
のむら産業株式会社 代表取締役社長
1960年1月生まれ、埼玉県出身。78年日野自動車に入社。81年、のむら産業入社。
97年取締役首都圏事業部長、2000年常務取締役就任、09年代表取締役社長就任、13年 IPOを目指すMBO実施に伴い専務取締役に就任、16年代表取締役社長に就任(現任)。
のむら産業株式会社
当社は、1959年に創業、1965年に設立され、お米というニッチな業界でありながら、 約60年「技術、商品、サービス」を磨き、お取引先の皆様からの信頼を築き成長を続け てまいりました。
「米穀精米袋を中心とした包装資材の企画開発・販売」と「米穀用自動計量包装機を 中心とした計量包装機械の企画開発・製造販売」からなる「包装関連事業」と、「包む ・埋める・埋める・封をする」といった梱包における問題を解決するための商品・サー ビスを提供する「物流梱包事業」により事業を展開しております。

創業から現在に至るまでの事業変遷

――それではまず、創業から現在に至るまでの事業変遷について教えていただけますでしょうか。

のむら産業株式会社 代表取締役社長・清川 悦男氏(以下、社名・氏名略):当社は1965年に設立されてから現在に至るまで、時代の流れに即した包装資材や自動計量包装機の開発及び販売を通して、米穀産業の安定と発展に寄与してきた会社です。創業当初は配給制度があったため消費者は自由にお米を買えないような時代で、当社は消費者がお米を購入する町のお米屋さんに対して包装資材や精米袋を販売していました。また、同時期には当社の創業者である野村 明三が日本で初めて精米袋の規格化を実現させました。

実は、今スーパーマーケット等で販売されているお米の袋は当社から生まれたものなのです。そこから時代は移り、取引先が町のお米屋さん中心から米卸や精米工場に変化しました。また、お米の全自動計量包装機のリーディングカンパニーとして、高い次元で機能・性能・信頼性・使い易さを実現した機械を製造・販売し、精米工場などの効率化に寄与しています。直近では、大型農家への販売や米穀産業以外への販売にも進出し、これまでのノウハウを活かして日々新しい包装資材及び計量包装機の開発及び販売を推進しています。

(画像=のむら産業株式会社)

上場に至った背景や思い

――次に、創業から半世紀を経て上場を果たした御社の上場に至るまでの背景や想いについて教えていただけますでしょうか。

清川:当社が上場した背景として、大きく2つの理由があります。1つ目は、資金調達の多様化を図るためです。更なる成長を続けるための技術革新や事業拡大に伴う資金調達の手段の一つとして上場を選択しました。2つ目は、経営基盤の充実を図るためです。社会的信用や知名度の向上、優秀な人材の確保により、さらに強固な経営基盤を築きたいと考えています。また、計量包装機のリーディングカンパニーとして、これまでの包装機械と包装資材の開発及び販売で培った計量技術や製袋技術を最大限駆使した他社にはない、より良いものづくりをしていきたいと考えており、そのために、優秀な技術者の採用や育成には特に注力していきたいと考えています。

のむら産業の強み

――御社のこれまで培ってきた強みについて教えていただけますでしょうか。

清川:当社の強みは、主に3つあると考えています。

1つ目はビジネスモデルです。当社は包装機械と包装資材を手掛けているので、自動計量包装機を始めとした機械の導入をきっかけに、包装資材を導入していただくというストックビジネスとフロービジネスを掛け合わせたモデルを構築していることが強みであると考えています。

2つ目は顧客対応力です。私は「お客様は恋人である」と考えており、お客様の当社機械のトラブルによる機会損失を極限まで少なくする対応を徹底して行っています。例えば、故障の際のスピードを意識した修理対応、故障予防保全対応などに取り組み、結果として、当社製品の高い継続率の維持に繋がっていると考えています。

3つ目は当社機械の特徴です。通常、計量機と包装機械は、それぞれ異なるメーカー製品が組み合わされるケースが多い中で、当社では両者が一体となった製品の開発及び販売をしています。これによって、設置スペースの削減に繋がるだけでなく、制御関連の一元化が実現され、お客様のコスト削減や使いやすさに貢献することができると考えています。

(画像=のむら産業株式会社)

思い描く未来構想

――次に、清川社長が思い描かれている未来構想や事業戦略を教えていただけますでしょうか。

清川:既存事業の強化と新市場の開拓に力を入れたいと考えています。既存事業の強化については、自動計量包装機の開発に力を入れ、より良いものづくりを目指していきます。機械に関しては、お米の長期保存などお客様のニーズや時代に即した開発、包装資材に関しては、自社機械にマッチした独自性の高い製品の開発に注力しようと考えています。また、新市場の開拓については、当社がこれまで軸足を置いていた米穀市場以外の領域への進出に力を入れていきます。具体的には製菓や豆類など食品関連や、餌や猫砂などペット関連、農業関連の市場に対し、これまで築き上げてきたナレッジの水平展開と自社優位性の訴求により、全国の顧客基盤との繋がりも活かしつつ、包装機械と包装資材の双方で需要を創造していきたいと考えています。

(画像=のむら産業株式会社)

読者へのメッセージ

――最後に、ZUU onlineの読者に向けたメッセージをお願いいたします。

清川:当社は創業から半世紀を超えて上場を果たしましたが、まだまだ企業規模は大きくありません。その中でも、米穀領域を中心にこれまで培った包装機械と包装資材のノウハウを活かして、既存事業の拡大・成長及び新市場開拓に向けて社員全員でチャレンジしていきたいと考えています。また、成長戦略を実現する上で、資本コストを鑑み、デット・エクイティの最適なバランスを維持した資金調達やそれに伴う設備投資、M&Aを行っていくことも重要だと考えています。是非、応援のほどよろしくお願いいたします。

氏名
清川 悦男(きよかわ えつお)
会社名
のむら産業株式会社
役職
代表取締役社長
情報提供元: NET MONEY
記事名:「 創業から上場への軌跡:のむら産業の挑戦と未来戦略