麗らかな春の訪れを感じる絵画

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202403057557-O8-KAe0eCCO
 
 上原美術館の収蔵品から選りすぐりの作品を紹介する上原コレクション名品選を開催いたします。
 近代館の企画展「春の訪れ」は、上原コレクションから麗らかな春の空気が漂う作品を中心にご紹介します。戦時中の昭和20(1945)年頃、安井曽太郎が疎開先の埼玉県寄居町で、明るい日差しの中、満開の桜を描いた≪桜と鉢形城址≫や、幽玄な美を感じさせる須田国太郎≪枝垂桜≫など、あたたかな春の訪れを予感させる絵画の数々をお楽しみください。
 仏教館では、「時の結晶 仏教美術」と題して、開館40周年をしめくくる仏教美術コレクション展を開催いたします。昭和58(1983)年に開館以来、仏教美術の収集も行ってきた当館のコレクション第1号は平安時代の十一面観音菩薩像でした。ここから仏像、古写経、仏画などコレクションは今にいたるまで広がりを見せ始めます。本展では、当館が収集した珠玉の仏教美術をご紹介します。

展覧会概要
1)展覧会名  【近代館】 企画展 春の訪れ
        【仏教館】 企画展 時の結晶 仏教美術 ―上原コレクションの40年―

2)会期   2024年1月20日(土)~4月14日(日)  86日間
       *会期中無休

3)開館時間 9:30–16:30(最終入館は16:00まで)
       
4)会場   上原美術館 近代館・仏教館
       〒413-0715 静岡県下田市宇土金341

5)料金   一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
       ※団体10名以上10%割引
       ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります

6)ギャラリートーク
   展覧会をより深くお楽しみいただける、学芸員による作品解説を行います。
   開催日時 展覧会会期中の毎月第3土曜日
        【近代館】10:00~ 【仏教館】11:00~  各回約45分
   参加方法 時間になりましたら展示室へお集まりください。※要入館券

―展覧会の見どころ
【近代館】 春の訪れ
 ■ 絵画に広がる春の麗らかな光景
 花の香り、鳥の声、風の肌触り。身の回りにある自然は、わたしたちに春の訪れを知らせます。そして、絵の中にもその季節のうつろいが秘められています。
 安井曽太郎≪桜と鉢形城址≫は、安井が戦時中、疎開先の埼玉県寄居町で、戦国時代に築かれた鉢形城址の前に広がる満開の桜を描いた作品。明るくのびやかな色彩は、のどかな春の空気を思わせます。
 安井は1944(昭和19)年夏に美術展審査のため、満州へ渡り、北京に立ち寄って制作をしました。その年末、病にかかり、かの地で療養し、翌年3月に帰国します。安井は帰国すると埼玉県寄居町に疎開しました。そして、間もなく描いたのが本作です。その美しい眺めには、鉢形城址の下を流れる荒川のせせらぎ、鼻をくすぐる春の香り、空を吹き抜ける風の肌触りをも感じさせます。戦争が続く困難な時代にも季節は流れ、新たな春が訪れます。
 本展では本作のほか、西伊豆に吹く冬の西風が春の気配を告げる梅原龍三郎≪江ノ浦、残月≫、暗がりの中から桜が浮かび上がる須田国太郎≪枝垂桜≫、横山大観≪夜桜≫、あたたかな季節の香りを感じさせるピサロ≪エラニーの牧場≫や、モネ≪藁ぶき屋根の家≫、新たな季節の喜びを歌うマティス挿画『シャルル・ドルレアン詩集』など、春の訪れを感じさせる絵画をご紹介します。上原コレクションより、新たな季節の訪れをお楽しみください。

   
【仏教館】 時の結晶 仏教美術-上原コレクションの40年-
 ■ 開館40周年をしめくくる仏教美術コレクションの数々
 本展では上原コレクションの名品を通じて、上原美術館の40年にわたる仏教美術の収集の軌跡を振り返ります。当館の前身の一つ、上原仏教美術館が平成元(1989)年、初めて収蔵した古美術は、平安時代(10世紀)の≪十一面観音菩薩像≫。千年の時を経た本像は、現在、当館を代表する仏像の一つとなりました。平成19(2007)年には、平安時代後期に作られたきらびやかな紺紙金銀字経、≪中尊寺経≫を収蔵したことから、古写経の収集も始まりました。近年収蔵した≪法華経 巻五(平基親願経)≫は、見返絵に美麗な彩色が施された童子が舞う姿が美しい作品です。
 またコレクションは古い絵画作品にも広がりました。本展で新収蔵・初公開となる≪諸尊図像集断簡(八大童子図)≫は鎌倉時代、北条実時が設立した金沢文庫伝来の貴重な作品で、日本洋画の巨匠、梅原龍三郎の旧蔵品でもあります。長い時を経て集積した、結晶のような仏教美術コレクションをご紹介します。

 
―主な出品予定作品
[近代館]
1.安井曽太郎≪桜と鉢形城址≫ 1945(昭和20)年頃 油彩、カンヴァス 60.2×72.7㎝
2.須田国太郎≪枝垂桜≫ 1953(昭和28)年 油彩、カンヴァス 37.8×65.5㎝
3.カミーユ・ピサロ≪エラニーの牧場≫ 1885年 油彩、カンヴァス 54.5×65.5㎝

[仏教館] 
4. ≪十一面観音菩薩像≫ 平安時代(10世紀) ※重要美術品
5. ≪阿弥陀如来像≫ 鎌倉時代(13世紀) 
6. ≪諸尊図像集断簡(八大童子図)≫ 鎌倉時代 ※新収蔵・初公開

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 ―伊豆。絵画でたのしむ、春の訪れ