伝統的で独創的な「最上紅花」の農業システムを次世代に継承し、その価値を広く世界に周知していきます



2020年3月31日(火)

山形県



 「最上紅花(もがみべにばな)」は、美しい赤を生み出す染色用原料で、伝統的で独創的な世界で唯一の農業システムです。

 世界に誇る「紅花の農業システム」を次世代に継承するとともに、その価値を広く世界に知っていただくため、山形県と関係8市町及び関係団体で構成する山形県紅花振興協議会は、令和2年3月27日に、世界農業遺産(※)への認定申請を行うことを決定しました。

 今後、令和2年6月10日までに農林水産省に世界農業遺産への認定申請書を提出するため、準備を進めます。

(※)世界農業遺産とは、世界的に重要な伝統的農業を営む地域を、国際連合食糧農業機関(FAO)が認定する制度です。



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【世界農業遺産への認定申請に向けて】

 協議会では、これまで、紅花栽培研修会による新規栽培者の掘り起こしやシンポジウムの開催、地域における紅花文化伝承の支援強化などとともに、のぼりやリーフレットなどを活用してPRを行ってきました。

 山形県内では、例年7月上中旬ごろに紅花が開花し、これに合わせて各地で「紅花まつり」が開催されます。協議会では、世界農業遺産認定の機運醸成を図るため、紅花が咲き誇る会場で農業システムのPRを行う予定です。



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【染色用紅花とは】

 紅花は、世界的には油用としての利用がほとんどですが、山形県では、日本で唯一、染色用の農業生産を行っています。

 染色には、紅花の花弁から作った「紅餅」を利用します。「紅餅」は、花弁に加水し酸化させて餅状にし、丸く平たい形に伸ばし乾燥させて作ります。この方法は、江戸時代から行われており、現在も同じ方法で生産されています。



 

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 紅花から得られる赤は、鮮やかな色彩が特徴で、古くから神事の装束や着物などの染色、浮世絵の絵具などに用いられ、日本の伝統文化の発展に貢献しました。現在も着物などの染色や口紅などに利用されています。



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【紅花と山形】

 紅花は、中近東が原産とされており、シルクロードを西から東に伝わり、各地に広がりました。日本には3世紀頃に伝来し、山形には室町時代末期頃に伝わったと言われています。山形は、紅花の栽培に適した気候や風土、最上川舟運の発達などにより、江戸時代には日本一の産地になりました。

 当時の紅花は、「米の100倍、金の10倍」と言われるほどの高級品であり、紅花交易に携わる豪商や豪農が地域経済を支えました。

 その後は化学染料の台頭により需要が減少し、現在は山形だけが日本の伝統的な「赤」を受け継いでいます。

 満開の紅花畑は、県民の原風景であり、昭和57年には紅花が山形県の花に制定されました。



 

【紅花と観光】

 紅花が開花する7月上中旬には、県内各地で紅花まつりが行われます。紅花摘み体験や紅花染め体験などたくさんの催し物が行われ、満開の紅花畑を見て紅花の魅力に触れることができます。

 また、8月には山形の夏の風物詩である「花笠まつり」が行われ、毎年たくさんの観光客が訪れます。まつりの踊り手が持つ花笠は、「むしろに広げた紅餅」を表現しています。

 

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【この件に関するお問い合わせ先】

(協議会事務局)

 山形県農林水産部園芸農業推進課

 TEL:023-630-3380



情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 山形県の「最上紅花」、世界農業遺産への認定申請を決定