卒業式や入学式シーズンになると、真珠(パール)を身につけている保護者をみかけます。

冠婚葬祭に重宝するアクセサリーが「真珠の一連ネックレス」です。

しかし、ここ数年で真珠の価格が高騰しています。

貴金属の高騰といえば「金」が話題になっていますが、真珠高騰の背景には、金の高騰理由よりも深刻な理由が隠れています。

今回は、真珠高騰の背景から、真珠ネックレスで大きな失敗をした筆者が伝えたい「賢い真珠ネックレスの買い方」までお話しします。

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真珠が高騰している理由

数年前から真珠の価格が高騰し始めました。高騰の理由は、大きく2つあるといわれています。

1. 真珠の元となる稚貝が育たないから

1つ目の理由は、真珠の元となる稚貝が育たないからです。

真珠は、アコヤ貝などの貝の中に核を入れて、貝の力で作られるものです。

真珠を作り出す母貝になるはずの稚貝が、育たない状況が続いています。

理由は海水温度の上昇とも考えられましたが、昨年にウイルスが原因であることが発表されました。

稚貝が育つ場所で養殖することが解決策ですが、すぐに養殖場を移動させることは難しいでしょう。

2. 外国人の買い占め

2つ目の理由は、外国人の買い占めです。

日本の真珠は高品質で人気があります。

外国の富裕層が大量に真珠を買うようになり、品薄状態が続いているのです。

真珠に限らず、モノの値段は需要と供給のバランスで決まります

新たな真珠が作りにくい状況下において需要が高まったことで、真珠の価格は高騰しているのです。

筆者の失敗談! にせものを買った経緯から発覚まで

筆者は、本物だと思っていた真珠の一連ネックレスを持っていました。

自分の結婚式でも使用したほど信じ切っていたのです。

購入からかなりの年数が経過したとき、ネックレスの紐を新しくすることにしました。

真珠のネックレスは、使用頻度に関係なく真珠を通している紐が劣化します。

定期的に紐を交換しなければ、最悪紐が切れてしまいバラバラと真珠が飛び散ってしまうでしょう。

筆者は、最初にアクセサリーをリフォームしている小さな個人店舗にネックレスを持ち込みました。

店員は

「こんなに大きな真珠は、高価すぎて当店では扱うことができません」

と答えました。

筆者はうれしくなり、大手宝飾店に再び持ち込んだのです。

ところが、今度の店員は小さな声で

「こちらは糸をかえるときにコーティングがはげるかもしれません」

と言いました。

筆者は耳を疑いました。

「コーティング」という言葉は、本物の真珠には使いません。

筆者の真珠は、アコヤ貝どころか貝に一度も入ったことがない「樹脂製の玉」だったのです。

偽物とわかれば紐を変える必要はなく、帰宅後に爪で玉をひっかいてみました。

すると、おもしろいようにコーティングがはがれたのです。(写真の上段左から5粒目参照)

筆者の真珠(本当は樹脂玉)は、今から25年前にテレビの通信販売で、3万円程度で購入したものでした。

真珠の知識は全くなく、

「すごく売れています」

「ひとつは持っていたい品」

という言葉にひかれて購入したものです。

大手宝飾店の店員は、親切に店頭に並んでいる本物の真珠と筆者の樹脂玉を並べてくれました。

小ぶりだけど品よく輝く真珠の横で、筆者の樹脂玉は大きくギラギラと光っていました。

本物で3万円ならばお得すぎる値段ですが、使えないものに使った3万円は痛すぎる出費です。

真珠の一連ネックレスはコスパの良い一生もの

筆者が若いときには、友人の結婚式にはフォーマル売り場で買った安価なものを使い、子どもの卒業式や入学式はコサージュだけをつけていました。

失敗談に登場した樹脂玉は、玉の大きさがとても大きいため、結婚後は派手に感じて使っていませんでした。

ただ、40代になり真珠の一連ネックレスの出番は着実に増えています。

冠婚葬祭だけでなく、子どもの発表会や食事会、会社関係の賀詞交歓会などのパーティなどで

「真珠の一連ネックレスがあればよかった」

と感じていました。

真珠の一連ネックレスは、悲しみの場所でも喜びの場所でも活躍できるアクセサリーです。

紐を定期的に交換して手入れをすれば、子どもに受け継ぐこともできるコスパの良い一生ものです。

賢い真珠ネックレスの買い方

筆者は、真珠ネックレスが偽物だと判明してからは「今度こそ一生ものの真珠を買う」と思い、宝飾店を歩きまわり真珠の知識を蓄えました。

賢い真珠ネックレスの買い方は、

  1. 本物を買うこと
  2. 買い替える必要がない一生ものを買うこと
  3. オールノットを選ぶこと

です。

本物を買うためには、信頼できる店やルートから購入することが大切です。

筆者の樹脂玉も最初の店では「本物」と評価されました。

真珠は、比べてみれば違いがわかるけれど、単品で見せられると素人目にはわからないかもしれません。

デザインがシンプルな真珠ネックレスだからこそ、質で勝負したいものです。

そのためには、信頼できる店やルートを選ぶことが賢く買う第一歩です。

そして、本物であっても珠の大きさが小さいものは値段が安く、大きなものは高い傾向があります。

予算にあわせて小さなものを買ってしまうと、年を重ねてから買い替える必要が出てくるかもしれません。

筆者の年代ならば、年を重ねても買い替える必要がない7.5mm以上の珠をおすすめします。

真珠ネックレスは、強い力が加われば切れてしまうリスクがあります。

紐が切れてしまい真珠が飛び散ってしまえば、すべてを回収することができず真珠を紛失してしまうかもしれません。

40万円のネックレスならば1珠が約1万円です。

万が一切れても真珠が飛び散らないようにするために「オールノット」をおすすめします。

オールノットとは、真珠をつなぐ紐の結び方です。珠の間に結び目(ノット)を入れることで切れても珠を止めることができます

オールノットは、手間と費用がかかる方法ですが「真珠を大切に扱う店」つまり「信頼できる店」ではオールノットをすすめられるでしょう。

筆者は現在も本物の真珠ネックレスを購入できていません。

子育て中は自分のために10万円以上を出費することは難しく、おそらく真珠の価格はさらに高騰してしまうでしょう。

筆者の失敗談が誰かの役に立てたとしたら、樹脂玉に使った3万円もすべてが無駄にはならずうれしいです。

卒業式や入学式シーズンは、真珠ネックレスを急いで購入する人が増えます。

あせって偽物を手にすることがないようにしましょう。(執筆者:美大卒 式部 順子)

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 卒入学式必須アイテム「真珠」も高騰中!偽物を買った失敗談から学ぶ、損をしないパールネックレスの買い方とは