欧州議会経済金融委員会(ECON)が、金融とITを組み合わせた「フィンテック」の領域における競争に関する分析結果を発表した。同レポートでは、スタートアップ企業や伝統的金融機関、大手テクノロジー企業によるフィンテックサービスの増加に伴って、同領域内で新たな競争が生まれているとして、フィンテック市場についての現状を整理し、潜在的な反競争的行為に対する予測を行っている。

仮想通貨に関してはバリューチェーンの構成要素として、ブロックチェーン、マイニング(仮想通貨の新規発行や取引承認に必要となる計算作業)、ウォレット(仮想通貨の保管場所)、仮想通貨取引所、スマートコントラクト(契約をプログラム化して自動的に実行すること)、銀行、クレジットカードプロセッサーの領域を挙げている。

その上で、仮想通貨に関する競争は、仮想通貨同士が競う「仮想通貨市場内」とウォレットや取引所などのサービス提供者同士が競う「仮想通貨市場間」の競争に分類されると説明。「仮想通貨市場内」に関しては、プラットフォームの利用者数の多さと「ネットワーク効果」が、参入障壁を作り出す可能性があると指摘した。

一方で「仮想通貨市場間」の競争に関しては、伝統的な銀行との競争について言及した。伝統的な銀行が仮想通貨事業に参入する場合、競争の抑制に向けて、市場での影響力を使って、略奪的な価格設定や小規模な競争相手の買収を行う可能性があるという。また、取引所やウォレットなどのプラットフォームに対するアクセスの遮断やサービスの低下、非合理的な要求、交渉の遅延を行うことも起こり得ると説明している。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 銀行が仮想通貨に対して反競争的行為を行う可能性がある=ECONレポート【フィスコ・ビットコインニュース】