27日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比11.29ポイント(0.04%)安の28941.54ポイントと小幅に続落する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は2.15ポイント(0.02%)高の10983.46ポイントと小反発した。売買代金は1454億4700万香港ドルとなっている(26日は1474億8300万香港ドル)。


様子見ムードが漂う流れ。中国では今週30日に4月製造業PMIが公表されるほか、週末からメーデー連休(5月1〜5日)がスタートする。中国の経済指標に関しては、このところ良好な内容が多いものの不透明感も浮上。朝方に公表された全国工業企業の利益総額は、今年3月に前年同月比で92.3%増加した。景気期待が高まる半面、経済正常化に伴う刺激策の縮小が不安視されている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が6.0%安と急落。筆頭株主が保有株の一部をディスカウント価格で売却することを明らかにした。出来高も概算1億5807万株に膨らんでいる(26日は1313万株)。そのほか、ビールメーカー大手の百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)が1.8%安、香港リートの領展房地産投資信託基金(823/HK)が1.4%安、本土最大手行の中国工商銀行(1398/HK)が1.3%安と下げが目立った。


セクター別では、鉄鋼が安い。中国東方集団HD(581/HK)が3.9%、重慶鋼鉄(1053/HK)と馬鞍山鋼鉄(323/HK)がそろって1.7%ずつ下落した。


旅行関連銘柄の一角もさえない。エアラインの中国南方航空(1055/HK)が2.2%安、中国国際航空(753/HK)が1.4%安、航空情報システム大手の中国民航信息網絡(トラベルスカイ・テクノロジー:696/HK)が1.7%安、ツアー会社の東瀛遊HD(EGLホールディングス:6882/HK)が1.6%安と値を下げた。


半面、農業関連セクターは高い。野菜・果樹栽培業者の中国緑色食品HD(904/HK)が12.6%、アグリビジネスの超大現代農業(682/HK)が2.7%、肥料販売中国最大手の中化化肥HD(サイノフェルト:297/HK)と園芸用灌漑システムメーカーの新疆天業節水灌漑(840/HK)がそろって1.9%ずつ上昇した。天業節水については、業績持ち直しの期待も高まっている。同社が公表した今年1〜3月期決算では、赤字幅が前年から縮小した。


四半期決算の報告を本日に控えた銘柄群の一角もしっかり。江西銅業(358/HK)が4.0%高、国薬HD(1099/HK)が1.9%高、創維集団(スカイワース・グループ:751/HK)が1.2%高などと値を上げている。江西銅業に関しては、昨夜のロンドン金属取引所(LME)で銅先物が大幅上昇し、約9年9カ月ぶりの高値を付けたことも好感された。


このほか、金融大手グループのHSBC(5/HK)が2.0%高。昼に公表した四半期決算が上振れたことを材料視した。後場に入り上げ幅を広げている。飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)は2.6%高。国家市場監督管理総局は26日、「独占禁止法」違反の疑いで美団の調査を開始すると発表した。同社株は売り先行し、一時2.8%安と下げたものの、買いが徐々に優勢となっている。


一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.04%高の3442.61ポイントで取引を終了した。保険株が上げを主導する。酒造や小売の消費関連株、医薬品株、海運株なども買われた。半面、石炭株は安い。空運株、銀行株、自動車株、インフラ関連株、不動産株、半導体株も売られた。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 27日の香港市場概況:ハンセン0.04%安で小反落、薬明生物6.0%下落