27日の香港市場は小幅に値下がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比93.73ポイント(0.32%)安の29297.53ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が44.19ポイント(0.38%)安の11651.24ポイントとそろって続落した。「ニューエコノミー」関連で構成されるハンセン科技指数は1.6%安。他の主要指数をアンダーパフォームした。売買代金は2551億2500万香港ドルとなっている(26日は2789億2700万香港ドル)。


中国人民銀行(中央銀行)の資金吸収が重し。人民銀は朝方、公開市場操作(オペ)を通じ、3日続けて市場資金を引き揚げた。人民元建て上海銀行間取引金利(SHIBOR)の翌日物は27日、前日に続き大幅上昇し、2019年4月以来、約1年9カ月ぶりの高い水準に達している。中国と香港の指標改善や、中国当局の金融支援スタンス継続などを手がかりに小高く推移していたものの、指数は大引にかけてマイナスに転じた。中国の金融政策に関しては、人民銀の易綱・総裁が26日、世界経済フォーラム(WEF)のパネル討論会で、「人民銀行が金融政策による支援措置を早期に解除することはない」と言明している。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.1%安、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が3.9%安、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が3.2%安と下げが目立った。


業種別では、非鉄やレアアースが安い。中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が7.3%、五鉱資源(1208/HK)が5.1%、江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が4.7%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.2%、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が2.8%、江西銅業(358/HK)が2.6%ずつ下落した。


太陽光や風力などエコ発電関連の銘柄群も急落。陽光能源HD(757/HK)が13.2%安、中国水発興業能源集団(旧社名・中国興業太陽能技術HD:750/HK)が7.6%安、保利協シン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が6.7%安、信義光能HD(968/HK)が5.6%安、龍源電力集団(916/HK)が4.7%安、中国高速伝動設備集団(658/HK)が4.3%安、新疆金風科技(2208/HK)が3.5%安と値を下げた。


半面、キャリアや設備・工事の通信関連は高い。中国電信(チャイナ・テレコム:728/HK)が5.6%、中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)が5.3%、中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が3.1%、京信通信系統HD(コムバ・テレコムシステムズ:2342/HK)が4.3%、中国鉄塔(788/HK)が3.5%、中国通信服務(552/HK)と中興通訊(ZTE:763/HK)がそろって1.1%ずつ上昇した。中国移動は26日引け後、昨年発表した中国広播電視網絡有限公司(中国広電)との第5世代(5G)移動通信インフラ共有計画について、正式に契約を結んだことを明らかにしている。


このほか、金利高がメリットとなる銀行セクターも堅調に推移する。中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が1.9%高、中国銀行(3988/HK)が1.5%高、中国工商銀行(1398/HK)が0.8%高、招商銀行(3968/HK)が0.7%高で取引を終えた(中国郵政儲蓄銀行は最高値)。


一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.11%高の3573.34ポイントで取引を終了した。銀行株が相場を主導する。ハイテク株、メディア関連株、保険株、運輸株、素材株、公益株、インフラ関連株なども買われた。半面、消費関連株は安い。不動産株、自動車株、医薬品株、証券株も売られた。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 27日の香港市場概況:ハンセン0.3%安で続落、科技指数は1.6%下落