18日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比129.20ポイント(0.49%)高の26544.29ポイントと3日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が89.85ポイント(0.85%)高の10640.05ポイントと反発した。売買代金は1337億7200万香港ドルとなっている(17日は1435億7000万香港ドル)。


人民元高が追い風。中国人民銀行(中央銀行)は18日、人民元レートの対米ドル基準値を約2年5カ月ぶりの元高水準に設定した(元高方向での設定は3日連続)。上海外国為替市場でも2018年6月以来の水準で推移している。資金流入が期待される状況だ。


ただ、米中対立の激化を警戒し安く推移する場面もみられている。米メディアは17日、「米証券取引委員会は米上場の中国企業に対する新規制案を検討している」と報じた。それによれば、米当局の監督下にある監査法人が中国企業を監査し、米国の基準に準拠しない場合は上場廃止の可能性もあるという。トランプ政権はこのところ、新政権移行を前に対中圧力を一段と強めている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が6.9%高、不動産事業を中核とする多国籍コングロマリットの太古A(スワイヤ・パシフィックA:19/HK)が5.9%高、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が3.5%高と上げが目立った。吉利汽車に関しては、独ダイムラーと共同で、ハイブリッド車(HEV)向けの次世代エンジン開発に乗り出すことが材料視されている。


セクター別では、中国の金融がしっかり。中国人民財産保険(PICC:2328/HK)が5.2%高、中国平安保険(2318/HK)が1.5%高、招商銀行(3968/HK)が3.4%高、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が2.6%高で取引を終えた。


スマートフォン関連の銘柄群も物色される。丘タイ科技(Qテクノロジー:1478/HK)が7.4%高、高偉電子(1415/HK)が3.7%高、富智康集団(FIHモバイル:2038/HK)が2.3%高、舜宇光学科技(2382/HK)が2.1%高と値を上げた。


他の個別株動向では、港湾オペレーターの廈門国際港務(アモイ国際港務:3378/HK)が7.6%高と急伸。政策支援の動きが期待される。習近平・国家主席は17日、新興5カ国(BRICS)のオンライン首脳会議に出席。新産業革命に向けた5カ国間のパートナーシップ構築を急ぐ考えを示したうえで、アモイ市に同パートナーシップのイノベーション拠点を構える方針を表明した。


半面、鉄鋼やセメントの素材セクターはさえない。中国東方集団HD(581/HK)が3.2%安、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が1.4%安、鞍鋼(347/HK)が1.0%安、華潤水泥HD(1313/HK)が2.0%安、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が1.0%安で引けた。


一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.22%高の3347.30ポイントで取引を終えた。金融株が相場をけん引する。空運株や紙パルプ株、海運株、不動産株、公益株、防衛関連株、インフラ関連株の一角なども買われた。
半面、医薬品株は安い。自動車株、食品飲料株、ハイテク株、エネルギー株も売られた。
亜州リサーチ(株)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 18日の香港市場概況:ハンセン0.5%高で3日続伸、吉利汽車6.9%上昇