10日の中国本土市場は値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比19.80ポイント(0.61%)安の3234.82ポイントと続落した(上海A株指数は0.61%安の3390.30ポイント)。約1カ月半ぶりの安値水準を切り下げている。

米中対立の激化が警戒される流れ。米国務省は9日、大学や研究機関などから軍事関連の情報が流出する恐れがあるとして、6月以降に中国人1000人以上のビザ(査証)を取り消したと報告した。米中両国はこのところ、制裁や規制の応酬を繰り返している。トランプ米大統領が7日、中国とのデカップリング(経済など各種関係の分断)に改めて言及するなど、対立はエスカレートしつつある状況だ。中国の政策期待などで指数はプラス圏で推移する場面がみられたものの、上値は重く、引けにかけて下げ幅を広げている。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、ハイテク関連が安い。通信機器メーカーの東方通信(600776/SH)が5.7%、パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)が5.3%、LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)が1.2%ずつ下落した。上海市場のハイテク企業向け市場「科創板」では、7月23日に算出・公表開始した上海科創50(Star50)が1.4%下落し、指数算出以来の安値を連日で更新した。

インフラ関連株もさえない。ゼネコンの中国交通建設(601800/SH)が2.6%安、発電設備の上海電気集団(601727/SH)が2.4%安、建材の北京金隅集団(601992/SH)が2.1%安、鉄鋼の杭州鋼鉄(600126/SH)が5.8%安で取引を終える。このほか銀行株、エネルギー株、発電株、不動産株、防衛関連株なども売られた。

半面、消費関連の銘柄は物色される。老舗小売グループの王府井集団(600859/SH)がストップ高、家電メーカー中国大手の海爾智家(600690/SH)が2.0%高、白酒(中国の蒸留酒)メーカー最大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が1.1%高で引けた。自動車株、証券株、医薬品株も買われている。

一方、外貨建てB株相場は値下がり。上海B株指数が1.99ポイント(0.81%)安の244.66ポイント、深センB株指数が0.48ポイント(0.05%)安の938.54ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)






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情報提供元: FISCO
記事名:「 9日の中国本土市場概況:上海総合0.6%安で続落、「科創板」1.4%下落で連日安値