週明け17日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比164.33ポイント(0.65%)高の25347.34ポイントと3日ぶりに反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が119.44ポイント(1.16%)高の10385.90ポイントと5日続伸した。売買代金は1287億5700万香港ドルに拡大している(14日は1033億1900万香港ドル)。(亜州リサーチ編集部)

本土株高が追い風。中国の政策期待が強まるなか、上海総合指数は大幅に3日続伸した。中国人民銀行(中央銀行)の緩和スタンスを好感している。人民銀は朝方、「中期流動性ファシリティ(MLF)」を通じ、予想を上回る7000億人民元の資金を供給。10年物の国債利回りは約3週ぶりの低い水準で推移した。人民銀が20日に公表する事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しても、低金利が継続すると見込まれている。

米中対立の警戒感で朝方は上値が重かったものの、指数は中盤から上げ幅を広げた。トランプ米大統領は14日、中国IT大手の北京字節跳動科技(バイトダンス)に対し、同社が運営するショート動画投稿アプリ「TikTok」の米国事業を90日内に売却するよう正式に命じた。また、週末(15日)に予定されていた「第1段階の通商合意」に関する米中閣僚級協議については、無期限に延期されたと関係者の話として報じられている。延期の理由については、「TikTok問題が影響した」との憶測が流れる半面、「スケジュール調整が間に合わなかったため」との見方もあるようだ。

中国金融セクターが相場をけん引。中国太平保険HD(966/HK)と中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)がそろって5.2%高、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.0%高、中信建投証券(CSCフィナンシャル:6066/HK)が7.0%高、中信証券(6030/HK)が4.5%高、招商銀行(3968/HK)が4.7%高、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が1.6%高で引けた。保険と証券に関しては、本土株高のメリットがクローズアップされている。運用収益改善や、手数料収入増が期待された。

ゼネコンやセメント、建機のインフラ建設セクターも物色される。中国鉄建(1186/HK)が4.9%高、中国建築国際集団(3311/HK)が2.2%高、中国建材(3323/HK)が6.2%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が2.3%高、中聯重科(1157/HK)が6.3%高、中国龍工HD(3339/HK)が2.0%高と値を上げた。

このほか、指数入れ替えに伴う売買も活発化。株価指数を算出するハンセン・インデックシズ(HSI)は14日引け後、四半期ごとに行っている指数構成銘柄の定期見直しの結果を発表した。ハンセン指数の構成銘柄には、薬明生物技術(2269/HK)、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)を採用する。一方、信和置業(83/HK)、中国旺旺HD(ワン・ワン・チャイナ・ホールディングス:151/HK)、中国神華能源(1088/HK)の除外を決めた。薬明生物技術が4.7%高、小米集団が5.6%高、アリババが1.6%安、信和置業が3.8%安、中国旺旺が3.2%安、中国神華能源が1.2%高でそれぞれ取引を終えている。アリババについては、トランプ米大統領が15日、「アリババなど多くの中国企業に圧力をかけることができる」などと述べたことも不安視された。

一方、本土市場は大幅に3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比2.34%高の3438.80ポイントで取引を終えた。金融株が全面高。不動産株、消費関連株、自動車株、運輸株、資源・素材株、インフラ関連株、ハイテク株、医薬品株など、ほぼ全業種が買われた。

亜州リサーチ(株)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 17日の香港市場概況:ハンセン0.7%高で3日ぶり反発、指数採用の小米は5.6%上昇