21日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比577.67ポイント(2.31%)高の25635.66ポイントと急反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が150.10ポイント(1.46%)高の10445.42ポイントと3日続伸した。売買代金は1617億700万香港ドルに拡大している(20日は1356億1800万香港ドル)。(亜州リサーチ編集部)


市場活性化の期待が強まる流れ。株価指数を算出するハンセン・インデックシズ(HSI)は20日引け後、IT関連株などを組み入れた「ハンセン科技指数(Hang Seng TECH Index)」の発表を27日から開始すると発表した。投資資金の流入が拡大すると予測されている。

新型コロナウイルスのワクチン開発を巡るポジティブニュースも追い風。バイオ医薬品ベンチャーの康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が中国軍事科学院・軍事医学研究院生物工程研究所と共同開発したワクチン「Ad5-nCoV」について、中期臨床試験で安全性、免疫効果を確認したことが英ランセットに掲載した論文で明らかにされた。このほかにも、ワクチンを開発する複数の欧米企業グループが相次ぎ有望な結果を公表している。早期のワクチン投入により、経済活動の正常化も早まるとみられた。

ハンセン指数の構成銘柄では、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が9.8%高、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が7.9%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が7.5%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が7.0%高と上げが目立っている。香港交易所と中国生物製薬はそれぞれ上場来高値を更新した。テンセントと舜宇光学科技は、上述したハンセン科技指数の構成銘柄に選定されている。このほか、同指数に選ばれた主な銘柄群では、美団点評(メイトゥアン・ディエンピン:3690/HK)が8.8%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が7.3%高、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が4.9%高などと値を上げた。テンセントとこれら3銘柄は「ATMX」と呼ばれ、ハンセン科技指数ウェートの33.49%を占めている。

セクター別では、半導体や通信設備・工事など第5世代移動通信システム(5G)関連が高い。華虹半導体(1347/HK)が14.1%、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が8.3%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が4.1%、京信通信系統HD(2342/HK)が2.8%、中興通訊(ZTE:763/HK)が1.9%ずつ上昇した。上記の半導体3社やZTEもハンセン科技指数の構成銘柄に組み入れられる。

医薬品セクターもしっかり。前述した中国生物製薬のほか、上海復星医薬集団(2196/HK)が5.3%高、薬明生物技術(2269/HK)が5.2%高、金斯瑞生物科技(1548/HK)が4.6%高、石薬集団(1093/HK)が1.9%高で引けた。

半面、ゼネコンやセメント、建機などインフラ建設関連セクターはさえない。中国鉄建(1186/HK)が1.8%安、中国交通建設(1800/HK)が1.7%安、中国中鉄(390/HK)が1.4%安、華潤水泥HD(1313/HK)が1.3%安、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が0.9%安、中国龍工HD(3339/HK)が6.6%安、中聯重科(1157/HK)が1.5%安とそろって反落した。前日の相場では、華潤水泥と安徽海螺水泥が上場来高値をそろって更新。それぞれ買いが目立っていた。

一方、本土市場は小幅に3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.20%高の3320.89ポイントで取引を終えた。医薬品株が高い。消費関連株、自動車株、ハイテク株、海運株、不動産株の一角なども買われた。半面、金融株は安い。エネルギー株、防衛関連株、素材株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 21日の香港市場概況:ハンセン2.3%高で反発、香港交易所と中国生物製薬が最高値