5日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比110.76ポイント(0.42%)高の26786.74ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が58.49ポイント(0.56%)高の10493.85ポイントとそろって3日続伸した。売買代金は1337億8100万香港ドルとなっている(4日は1358億5500万香港ドル)。

中国の経済政策に対する期待感が持続する流れ。新型肺炎による景気不安がくすぶるなか、当局は一段の対策を打ち出すとの見方が広がっている。20日に公表される最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」(事実上の貸出基準金利)の2月分に関しては、3カ月ぶりに引き下げられるとの観測が浮上。預金準備率引き下げの可能性も指摘された。関係者の話として外電が4日付で報じたところによれば、中国政府は財政予算の赤字比率引き上げや、公益事業向けに資金調達する特別地方債「専項債」の発行規模拡大なども検討しているという。

ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が4.5%高、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)と中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)がそろって2.8%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が2.4%高、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が2.2%高と上げが目立った。石薬に関しては、新型コロナウイルス(2019-nCoV)に有効な薬剤のひとつ処方薬「アルビドール」の生産許可を持っていることが材料視されている。

セクター別では、自動車が高い。上記した吉利汽車のほか、比亜迪(BYD:1211/HK)が6.9%、広州汽車集団(2238/HK)が3.7%、東風汽車集団(489/HK)が2.6%、長城汽車(2333/HK)が1.9%ずつ上昇した。各地方政府は、新型ウイルス感染拡大防止に向けた異例の交通政策を導入。大気汚染や道路渋滞の対策として実施してきたマイカー走行規制に関し、一時的な緊急解除を決定した。

医薬品セクターもしっかり。上述した石薬に加え、四環医薬HD集団(460/HK)が3.3%高、上海復星医薬(2196/HK)が3.2%高、緑葉製薬集団(2186/HK)と広州白雲山医薬集団(874/HK)がそろって2.4%高で引けた。

一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.25%高の2818.09ポイントで取引を終えた。医薬品株が高い。ハイテク株、自動車株、消費関連株、運輸株、不動産株、素材株、金融株なども買われた。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 5日の香港市場概況:ハンセン0.4%高で3日続伸、石薬4.5%上昇