28日の香港市場は小幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比48.59ポイント(0.19%)安の25615.48ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が15.46ポイント(0.15%)安の9980.73ポイントとそろって3日続落した。売買代金は747億6500万香港ドルに縮小している(27日は927億6000万香港ドル)。

米中通商交渉の楽観が後退する流れ。トランプ米大統領が「中国側から通商協議再開の申し入れがあった。交渉を再開する」と述べたことに対し、中国外交部の報道官は27日、「電話協議を把握していない」と改めて強調した。米中両国が追加関税を応酬するなか、中国経済に対する悪影響が不安視されている。もっとも、大きく売り込む動きはみられない。中国の政策を好感し、指数はプラス圏で推移する場面もみられた。国内景気の下支えを狙う中国政府は27日、自動車購入規制の緩和など20項目の消費刺激策を発表している。

ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が4.9%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が3.5%安、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が2.5%安、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が2.3%安と下げが目立っている。申洲国際集団と創科実業は米向け売上比率が大きいだけに、貿易摩擦の高まりがネガティブ要因として意識された。このほか、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.2%安と反落。指数寄与度が大きい同社株は、1銘柄だけでハンセン指数を56.8ポイント押し下げた。

業種別では、医薬品関連が安い。上記した中国生物製薬と石薬集団のほか、広州白雲山医薬集団(874/HK)が5.6%、上海復星医薬集団(2196/HK)と康哲薬業HD(867/HK)がそろって2.9%ずつ値を下げた。

半面、中国の自動車セクターはしっかり。中国政府の景気対策を好感し、華晨中国汽車HD(1114/HK)が4.8%高、長城汽車(2333/HK)が2.2%高、北京汽車(1958/HK)が1.9%高、広州汽車集団(2238/HK)と東風汽車集団(489/HK)がそろって1.7%高で引けた。

主要企業の中間決算発表がピーク期を迎えるなか、業績動向に着目した物色もみられる。増益の銘柄群では、不動産デベロッパー大手の世茂房地産HD(813/HK)が6.0%高、中国民営コングロマリットの復星国際(656/HK)が4.0%高、天然ガス事業の昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が3.0%高、建築材料大手の北京金隅集団(BBMG:2009/HK)が1.4%高などと値を上げている。

一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.29%安の2893.76ポイントで取引を終えた。金融株が下げを主導する。医薬品株、素材株、公益株、運輸株の一角も売られた。半面、自動車株は高い。家電株、ハイテク株、メディア株、航空・防衛関連株も上昇した。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 28日の香港市場概況:ハンセン0.2%安で3日続落、米中貿易問題が重荷