31日の香港市場は値上がり。主要51銘柄で構成されるハンセン指数が前日比279.98ポイント(0.86%)高の32887.27ポイント、本土企業株で構成されるH株指数が172.27ポイント(1.29%)高の13561.65ポイントとそろって3日ぶりに反発した。売買代金は1768億1600万香港ドルとなっている(30日は1734億4800万香港ドル)。

業績期待で買われる展開。中国・香港で17年通期決算発表を前に、増益や黒字転換など好業績見通しを明らかにする企業が相次いでいる。昨夜の欧米株安などを嫌気し指数は安くスタートしたものの、中盤から買いの勢いが増した。グローベックスのNYダウ先物がプラス圏で推移したことも、買い安心感を誘っている。寄り付き前に公表された中国の経済指標では今年1月の製造業PMIが51.3。市場予想(51.6)を下回っている。半面、同月の非製造業PMIは55.3で予想(54.9)を上回った。

業種別では、中国の保険株が高い。新華人寿保険(1336/HK)が3.4%、中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が3.1%、中国平安保険(2318/HK)が2.7%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が1.8%、中国人民保険集団(1339/HK)が1.4%、中国人民財産保険(2328/HK)が1.0%ずつ上昇している。生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険は30日引け後、17年決算で55~75%の増益を予告した。増益見通しを発表した個別銘柄では、このほかモリブデン中国最大手の洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.0%高などと上げが目立っている。

ハイテク関連セクターもしっかり。光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が2.7%高、ICパッケージング・テスティング機器大手のASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が2.0%高、小型電子部品メーカーの瑞声科技HD(AACテクノロジーズ:2018/HK)が1.6%高、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.3%高と値を上げた。

消費関連セクターも物色される。ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が4.2%高、乳製品メーカーの中国蒙牛乳業(2319/HK)が2.4%高、大手ビールメーカーの華潤ビールHD(291/HK)が2.3%高で引けた。

一方、本土マーケットは3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.21%安の3480.83ポイントで取引を終えた。石油や鉄鋼、非鉄など資源・素材株が下げを主導。ITハイテク関連株、インフラ関連株、発電株、自動車株、証券株も売られている。半面、銀行株と保険株はしっかり。消費関連株、不動産株なども物色された。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 31日の香港市場概況:ハンセン0.9%高で3日ぶり反発、本土系保険セクター軒並み高