*13:23JST 売れるネット広告 Research Memo(3):ネット広告の費用対効果を改善する「売れるD2Cつくーる」 ■事業概要

1.事業内容
売れるネット広告社<9235>は、健康食品や化粧品などをインターネット通販で直接消費者に販売しているメーカー(D2C(ネット通販)事業者)に対し、ランディングページの作成などデジタルマーケティング事業を展開している。事業は、ネット広告/ランディングページ特化型クラウドサービスとマーケティング支援サービスの2つに大別され、ネット広告/ランディングページ特化型クラウドサービスでは簡単に商品サイトの作成などができるクラウドサービス「売れるD2Cつくーる」を主力サービスに、ランディングページの制作を請け負う広告デザインや、ネット広告全般のコンサルティングも行っている。マーケティング支援サービスは「売れるD2Cつくーる」のクライアントのみに対してインターネット広告サービスを提供しており、提携先媒体を通じて、購入申し込みなどの実績に応じて広告料が発生する成果報酬型広告を配信している。同社は上場に至るまで、「いかにクライアントのネット広告の費用対効果を改善できるか」「いかにネット広告によってクライアントの売上を伸ばすことができるか」ということに真摯に取り組んできたため有力クライアントが多く、クライアントからの評価も非常に高い。

(1) ネット広告/ランディングページ特化型クラウドサービス
ネット広告/ランディングページ特化型クラウドサービスの主力となる「売れるD2Cつくーる」は、D2C(ネット通販)事業者のインターネット広告の費用対効果を改善するサービスで、「ランディングページ制作」から「申し込みフォーム」「フォローメール配信/フォローLINE(R)配信/フォローSMS(R)配信」まで、D2C(ネット通販)事業者が広告を打つために必要な機能をワンストップで提供しており、レスポンス獲得から引上施策までのフローを作成できるクラウドサービスである。また、「最強の売れるノウハウ クリエイティブ自動制作」という機能を有しており、フローを構築するにあたって専門的な知識が一切なくても、「商品名」「商品カテゴリ」「本商品画像」「ビジネスモデル」「本商品価格」「本商品容量」「モニター商品画像」「モニター商品容量」「ブランド名/ブランドロゴ」「フォローメール差出人」の10項目を入力することで、ランディングページ制作から引上・クロスセルを向上させるための「フォローメール配信/フォローLINE(R)配信/フォローSMS(R)配信」までを実行できるサービスとなっている。「最強の売れるノウハウ」とは、同社が実施してきた2,600回以上のA/Bテストの結果のうち8割以上で費用対効果の改善があったノウハウを蓄積してきたもので、クライアントのネット広告の費用対効果を改善する高い効果があると言われている。このため非常に好評で、現状クライアント数は150社程度だが、特に近年、大手クライアントの伸びにつながっているようだ。

このほか有料オプションとして、「売れるネット広告でざいん」「売れるネット広告こんさる」といったサービスも提供している。「売れるネット広告でざいん」は、2,600回以上のA/Bテストの結果に基づいてクリエイティブを制作するサービスで、原則として「売れるD2Cつくーる」を新規契約したクライアントすべてに提供をしている。サービス内容は、クライアントの商材に合わせたレスポンスの高いランディングページの企画・ディレクション、コーディング作業、広告原稿の制作などである。「売れるネット広告こんさる」は、これも2,600回以上のA/Bテストの結果に基づいて専任のコンサルタントがコンサルティングを実施するサービスである。サービス内容は、ネット広告活動全般の企画・ディレクション・相談、広告原稿の企画・ディレクション、LTV(年間購入額)向上やCRM・企画などのコンサルティングである。

(2) マーケティング支援サービス
マーケティング支援サービスは、ネット広告/ランディングページ特化型クラウドサービスで制作されたランディングページに一般消費者を集客することを目的に、インターネット上に広告を配信するサービスである。同社は広告を出稿するだけでなく、「クライアントのネット広告の費用対効果を改善する」ことをサービスの本質と考えているため、「売れるD2Cつくーる」のクライアントに対してのみ同サービスを提供している。このため、マーケティング支援サービスで広告出稿を行った後、効果を分析して「最強の売れるD2Cつくーるプラットフォーム」で構築した仕組みを改善するところまでを一連のサービスとしている。同社のマーケティング支援サービスの最大の特徴は、成果報酬型の広告を出稿することが可能な「最強の売れるメディアプラットフォーム」を提供している点にある。

「最強の売れるメディアプラットフォーム」とは、「売れるD2Cつくーる」クライアントの希望成果単価で、同社と契約した約400社の媒体社に広告配信ができるサービスである。なお、コンバージョンの達成によって報酬を受領する成果報酬型広告のため、クライアントのリスクを抑えた広告配信が可能である。このため好評で、現状「売れるD2Cつくーる」クライアントの約8割が利用しているもようだが、同社ではすべての「売れるD2Cつくーる」クライアントに利用してもらうため環境を整備しているところである。また、「最強の売れるメディアプラットフォーム」上に蓄積された過去の発注データや広告の計測データ、顧客・販売データなどの解析を踏まえた純広告※1や運用型広告※2も提供している。

※1 純広告:Webメディアの特定の広告枠に出稿するWeb広告。
※2 運用型広告:クリエイティブ(配信内容)やターゲット、広告予算などをリアルタイムで変更し、広告効果の最適化を目指して運用するWeb広告。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 売れるネット広告 Research Memo(3):ネット広告の費用対効果を改善する「売れるD2Cつくーる」