■中長期の成長戦略

ニッソウ<1444>はKPIとして工事件数、顧客数、従業員数を設定し、これらKPIの増大によって売上高の成長を実現する考えだ。2025年7月期の工事件数目標は、2022年7月期比99.1%増の24,846件を掲げている。施策として、外装・共用部工事など対応可能な工事種目の拡大、既存顧客のニーズ深耕と提案力向上によるリピート件数の増加を推進する。新規顧客の開拓にも取り組む。2025年7月期の累計顧客登録数は2022年7月期比50.2%増の3,720社を目指す。東京都を中心とした関東圏を対象に既存営業手法と広告戦略を見直し推進することで新規顧客を開拓する考えである。加えて、新規顧客の開拓と工事件数の増加に対応できるよう、人員の増強も積極的に取り組む。広報活動によってブランドイメージを向上させ、新たな人員の獲得につなげる考えだ。2025年7月期の従業員数は、2022年7月期比39人増の96人を計画している。

中長期的には海外への進出や、国内でのM&Aによる新事業領域への進出なども検討している。海外については東南アジアの高所得国を中心に、同社の原状回復ノウハウによって顧客の潜在的なニーズの掘り起こしをねらう。新事業の展開については、同社事業の周辺事業領域におけるM&Aを検討している。リフォーム事業においては地域の零細企業が多く存在しているが、同社の事業ノウハウを活用して、利益率を高めることができる企業が存在している可能性が高い。そういった同業を買収することによって買収先の顧客網を活用し、業績の拡大につなげていく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 ニッソウ Research Memo(7):工事件数の拡大、顧客数増加、人材増強により収益力を強化