■業績と財務状況

2. 財務状況と新たなエクイティファイナンスの資金使途
窪田製薬ホールディングス<4596>の2022年12月期第2四半期末の資産合計は前期末比269百万円減少の4,563百万円となった。主な変動要因は、事業活動に伴う手元資金の支出によるもので、手元資金(現金及び現金同等物、その他の金融資産)が同222百万円減少の4,193百万円となった。そのほか有形固定資産が17百万円減少した。

負債合計は前期末比8百万円減少の671百万円となった。未払債務が77百万円増加した一方で、買掛金が17百万円、未払報酬が19百万円、リース負債が長短合わせて36百万円それぞれ減少した。また、資本合計は同260百万円減少の3,892百万円となった。新株予約権の行使等に伴う株式発行により、資本金及び資本剰余金が合わせて626百万円増加したほか、円安進展に伴いその他の資本の構成要素が309百万円増加した一方で、親会社の所有者に帰属する四半期損失1,197百万円の計上により繰越損失が拡大した。

2022年12月期第2四半期末の手元資金は4,193百万円と減少傾向が続いているものの、約2年分の事業活動資金は確保した状態にある(2022年7月に第25回新株予約権の行使により500百万円を新たに調達している)。とは言え同社は、今後も開発ステージが続くことから2022年9月に第三者割当による第28回新株予約権を発行した。潜在株式数は1,000万株で2022年8月末の発行済株数に対して希薄化率は19.5%となる。当初の行使価額は162円(下限行使価額81円)で想定調達額は約16億円となるが、主な資金使途としては「Kubota Glass」を中心とした医療機器の営業・マーケティング費用で200百万円(2023年1月~12月)、医療機器の研究開発・製造資金で505百万円(2023年1月~2025年12月)、その他運転資金900百万円(2023年1月~2025年12月)となっている。

医療機器の営業・マーケティング費用としては、眼科医・眼鏡店向けの販促キャンペーンや販売ツールの作成、販売員向け教育プログラムの実施及び各種媒体での広告費用を見込んでいる。医療機器の研究開発・製造資金としては、エビデンスを積み上げるための臨床試験費用のほか、「Kubota Glass」についてマーケットニーズにフィットした次世代機の開発の準備を進めており、試作機のデザイン・製造費用などを優先しつつ、「PBOS」の研究開発費用にも充当する計画である。そのほか運用資金としては、「Kubota Glass」の販売拡大に向けて2023年以降に人員を拡充する計画を立てており、主に人件費や支払報酬等に充当する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 窪田製薬HD Research Memo(7):新株予約権を発行し、ウェアラブル近視デバイス等の投資費用を調達