三洋化成工業<4471>は16日、同社が製造し、テルモ<4543>が販売する中心循環系非吸収性局所止血材「マツダイト」(ペットネーム「Hydrofit(R)」、ハイドロフィット)について、生産能力を増強すると発表した。既存製造エリアに新製造設備を拡張し、生産能力を現在の約5倍に引き上げる。投資金額は約3億円で、2024年2月の稼働を予定している。

Hydrofit(R)は、水と反応して柔軟な被膜をつくるウレタン素材の外科手術用止血材。2014年の販売開始以降、胸部大動脈や弓部分岐動脈の人工血管置換吻合部の止血材として、日本国内の多くの心臓血管外科領域の手術で使用されていたが、脳血管を除く血管全体の吻合部へ適応範囲が拡大され、利用機会が増加している。また、2019年7月に海外向けの販売名「AQUABRID(R)」として、欧州医療機器指令において品質、安全性及び有効性の基準を満たしていることが認められた場合に取得できる「CEマーキング」を取得。欧州市場での販売開始以降、香港市場や台湾市場へ参入し、海外展開も加速していることから、今後のさらなる需要拡大が予想されているという。

今回の生産能力増強により、今後の需要増に対応した安定供給を確保し、世界的な需要拡大に対応するとともに、今後も臨床現場のニーズに応え、世界中の医療の発展と人々の健やかな暮らしの実現に貢献していくとしている。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 三洋化成工業---非生物由来の血管吻合用止血材「マツダイト」の生産能力を増強