極東貿易<8093>は15日、2020年3月期(19年4月-20年3月)連結決算を発表した。売上高が前期比11.2%減の603.87億円、営業利益が同18.8%減の8.77億円、経常利益が同59.0%減の8.30億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同82.6%減の2.21億円となった。

基幹産業関連部門の売上高は前期比42.49億円減の206.87億円、セグメント利益は同0.49億円増の0.60億円となった。重電設備事業において第4四半期に納入が予定されていた大型案件の納入が見送られたものの、資源開発機器事業において探査船向け予備品の納入があったことに加え、検査装置事業においても大手自動車メーカー向けリニューアル・メンテナンス事業が年度を通じて堅調に推移した。

電子・制御システム関連部門の売上高は前期比27.47億円減の98.20億円、セグメント利益は同0.14億円減の1.70億円となった。電子機器事業において半導体関連品が年度を通じて堅調に推移したものの、航空電子事業においては2019年3月期のような大型案件の納入がなかったことに加え、計装システム事業においても台風被害などにより来期以降への納入延期が相次いだ。

産業素材関連部門の売上高は前期比5.07億円増の155.01億円、セグメント利益は同0.25億円増の3.23億円となった。樹脂塗料事業は、中国およびメキシコにおいて2020年3月期の後半に落ち込みが見られたもののインド向け塗装設備の案件が収益に貢献し、また、複合材料事業も輸出向け副資材などが堅調に推移したほか3Dプリンターの新規受注も寄与した。

機械部品関連部門の売上高は前期比10.95億円減の143.78億円、セグメント利益は同2.62億円減の3.22億円となった。連結子会社ヱトーのねじ関連事業は、米中貿易摩擦に加え第4四半期における新型コロナウイルスによる中国市場の停滞および国内における台風による客先減産の影響で大幅に落ち込み、連結子会社サンコースプリングのばね関連事業も車載アクセサリー用定荷重ばねが対象車種の生産計画の遅れなどで落ち込んだ。

2021年3月期通期の業績予想については、新型コロナウイルスの影響を合理的に算定することが困難なことから未定とし、算定が可能になった段階で改めて開示するとしている。




<SF>

情報提供元: FISCO
記事名:「 極東貿易---20/3期は減収減益なるも、産業素材関連部門で増収増益