■業績動向

2. 財務基盤充実を経て、資本効率重視へと舵が切られた財務戦略
財務体質の安全性を計る代表的な指標の推移を見ると、自己資本比率が2017年12月期末58.6%→2018年12月期末59.7%、流動比率が2017年12月期末216.6%→2018年12月期末222.7%、ネットキャッシュ(現預金-有利子負債、プラスはキャッシュ超過)が2017年12月期末3,611百万円→2018年12月期末5,337百万円など、いずれも一段と向上している。

ここ数年、CAC Holdings<4725>は取得簿価が低いリクルートホールディングス<6098>(以下、リクルート)の株式を継続的に売却し、財務基盤を充実しつつM&Aや事業構造改革を遂行してきた。それでもなお、同社が保有するリクルート株は3,869千株(2018年12月期末、評価額は10,301百万円)に上っていたわけだが、2019年9月、資本効率向上等の観点から一気に2,000千株を売却(総額5,970百万円、売却益5,291百万円)することに踏み切っている。更改版中期経営戦略の柱に資本効率の改善が据えられるなかで、巨額な売却資金が有効に活用されることに期待したい。

3. 2019年12月期業績予想は下方修正、事業構造改革費用計上で来期以降の収益性改善を目指す
2019年12月期第3四半期連結決算(以下、3Q決算)は売上高が前年同期比1.2%増の37,827百万円、営業利益が同17.9%増の1,039百万円、経常利益が同19.1%増の966百万円で着地した。また、親会社株主に帰属する四半期純利益はリクルート株の売却益5,291百万円が特別利益として計上されたため、同744.6%増の3,954百万円となった。3Q決算発表と同時に、通期業績予想は期初時点のものから一部下方修正された(売上高52,000百万円→51,500百万円、営業利益2,000百万円→1,500百万円、親会社に帰属する当期純利益1,350百万円→1,700百万円)。下方修正された主因は、CRO事業の低迷と海外IT事業におけるインド子会社の変調やM&A関連費用の発生である。また、事業構造改革費用(約27億円)が第4四半期に特別損失として計上される見込みであり、来期以降の収益性改善を目指す具体策として国内IT事業やCRO事業における不採算事業の整理や一部保有資産の評価見直し等が実施される見通しである。なお、期末配当金については、期初予想の25円/株が据え置かれ、中間配当を含む年間配当金は50円/株と2期連続での増配(2017年12月期:36円/株→2018年12月期:38円/株)が予定されている。

2019年9月末の財務安全性指標を見ると、自己資本比率が58.6%、流動比率は241.1%となり、いずれも健全な水準を維持している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 CACHD Research Memo(6):国内IT事業の改善に加え海外IT事業も黒字定着に挑戦(2)